九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

久留米大学病院 病院長 八木 実

久留米大学病院 病院長 八木  実

 明けましておめでとうございます。久留米大学病院長の八木実です。病院長に就任してこの3月で丸3年になります。
 
 本院でも昨今の厳しい医療情勢のもと、多難なかじ取りを何とか職員ともども、奮闘させていただいております。

 私は本来、小児外科学を専門としますが、漢方医学の指導医や専門医も取得している関係上、漢籍や暦も比較的抵抗なく見る習慣もあります。

 そこで、2020年(令和2年)はどんな年になるでしょうか。

 2020年の干支は庚子(かのえね)です。十干十二支とは十干と十二支の組み合わせを意味し、10と12の最小公倍数で60通りあり、それが繰り返されます。

 庚(かのえ)は、十干の7番目。植物の成長に例えると、成長を終えた草木が次の世代を残すために花や種子を準備する状態を表し、子は、十二支のトップに当たり、植物に例えると、固い種に押し込められていた生命が、新たに芽生えて、いろいろな方向に育ち始める状態と言われています。

 庚子の状態を人間や組織に当てはめると、庚からは完成した個人や組織から不要な価値観をそぎ落とし、新しい環境へ対応する体制を整える年を意味し、子からは個人は自分の軸となる価値観をしっかり持ち、組織は新たな局面に対応できる人材の育成や活用に取り組むことになる年と考えられ、過去の成果から引き継ぐべきものを維持しつつ、新たな環境や局面に向けて体制を整えていくと良い年ということになるのでしょう。

 過去において、60年前の庚子年は、日米安保条約が締結され、安保闘争が激しかった1960年。岸内閣から池田内閣へと首相の交代がありました。さらにさかのぼると420年前の1600年も庚子。天下分け目の関ケ原の合戦があり、徳川家康が天下をとった年でもあります。

 庚子合わせて意味していることは、新しい時代、新しい自分への変化を遂げていくということになるのかもしれません。

 いずれにせよ、いろいろと混迷する世界の中で、日本が先進国として役割を果たしつつ、国内においてはわれわれ病院関係者が、厳しい財務環境の中で、日常の医療を維持発展させていかねばなりません。

 本年は庚子の意味のごとく医療界において例年以上に新しい時代、新しい病院体系への変化を遂げていくことになることも念頭に入れ、ファイトをもって頑張っていかねばなりません。本年もよろしくお願いいたします。

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