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世界をリードする 臨床、研究の拠点に

世界をリードする  臨床、研究の拠点に


教授(さいとう・りゅうた)

1998年東北大学医学部卒業。同大学脳神経外科、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学、
東北大学大学院医学系研究科などを経て、2020年から現職。

 1917年の開設以来、世界レベルの医療を目指して先進医療や人材教育に尽力してきた名古屋大学の脳神経外科学教室。新教授として着任した齋藤竜太氏に、講座の特長や医師人生の歩み、今後の抱負を聞いた。

伝統ある講座 さらなる飛躍を

 大学院時代に国内留学した名古屋大学の脳神経外科の教室に、2020年12月、教授として着任した。懐かしさも残る医局の特長を、「圧倒的に豊富なマンパワー」と捉えている。20年度の入局者は16人で、脳神経外科では全国一の多さという。大規模な関連病院が多いため抱えている患者数も多く、「ポテンシャルのある医局」と感じている。

 教室は、2代目教授の杉田虔一郎氏(故人)が開発に尽力した脳動脈瘤手術に用いる医療器具「杉田クリップ」が世界に広まるなど、医療機器の開発や脳神経外科の顕微鏡手術、遺伝子治療、再生医療など多くの分野で先進的な試みを続けてきた歴史を持つ。

 「今後も、東海地方にとどまらず、世界の医学をリードするような仕事をしていかなくてはならないと考えていて、その責任の重さを感じているところです」と語る。

懸命な治療に魅力 脳神経外科医目指す

 岐阜県出身。小中高校時代を埼玉で過ごし、薬学の研究者だった両親の影響もあり、人の病気を治す医療や研究に興味を持った。医師になって専門を決める際には、脳神経内科と脳神経外科のどちらの道に進むか迷ったが、病院での実習で、脳神経外科の医師が昼夜を問わずに懸命に治療に当たる姿が印象的だったこと、患者の容態が良くなっていく過程を間近で見たことがきっかけとなり、脳神経外科学の道を選んだ。

 専門は小児を含めた脳腫瘍。2000年から約2年間、名古屋大学に国内留学し、3代目教授の吉田純氏の下で脳腫瘍に対する遺伝子治療の研究に従事した。その際に直面した問題を解決するために米国の大学に留学し、脳に局所注入した薬剤をいかに広範囲に送達させるかというCEDと呼ばれる投与方法の研究、開発に携わった。

 帰国後は、CEDを応用して脳腫瘍に直接抗がん剤を注入する治療法を研究し、小児の脳幹部の神経膠腫(こうしゅ)に対する医師主導治験を進めてきた。

 研究の原動力は、回復を待つ患者の存在だ。「病気は待ってくれないから急いで対応しなければならないし、チームで立ち向かう体制も組まなくてはいけない。手術がうまくいったとしても再発の可能性がある。研究機関や大学が総力を挙げて、治療成績向上のために取り組まなくてはなりません」と力を込める。

連携、協働を重視 模範となる医局に

 就任から約4カ月。国内有数の規模を誇る脳神経外科を率いることに重圧を感じる日々を送っている。「良い機会をいただいたと思って、研究も臨床も、治療成績の向上に貢献できるように頑張っていきたいと思っています」

 教室は、血管障害やカテーテル治療、脳機能、内視鏡手術、脊髄などグループが細分化されており、幅広い領域を網羅しながら、同時に脳卒中後のリハビリや再生医療など最先端の医療も発展させていく役割を担っている。人材育成も重視しており、若い人材の可能性を広げるため、学部生、研修医、大学院生に対し、時期や段階に応じた指導を心掛けていく。

 「学内や関連病院の専門医の先生方と協力して、模範となる医局にしていきたいと思います。東海地方には医学部が集まっていて、各々が得意分野を持っています。今後も良い連携ができるよう交流を深めていきます」と抱負を語る。

名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学
名古屋市昭和区鶴舞町65 ☎052ー741ー2111(代表)
https://med-nagoya-neurosurgery.jp/

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