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三病院連携「三重こども病院」で地域医療の発展をリード

三病院連携「三重こども病院」で地域医療の発展をリード

三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座 小児科学分野
教授(ひらやま・まさひろ

1986年三重大学医学部卒業。
国立津病院(現:三重中央医療センター)小児科、米ミシガン小児病院留学、
三重大学大学院医学系研究科小児科学分野准教授などを経て、2016年から現職。

 小児血液腫瘍の分野で60年以上の実績を持つ教室。就任4年目となる平山雅浩教授も、造血細胞移植や細胞療法をテーマに診療・研究に取り組んできた。「子どもにとって、一番いい医療を」。その思いを胸に、三重県の小児医療充実に奔走している。

―「小児がん拠点病院」に指定されています。

 全国に15ある施設のうち、政令指定都市にないのは三重大学だけ。症例数は多くはありませんが、医療の質や体制が評価されている証だと思っています。ちょうど今、ブロック内の連携病院の指定作業に当たっているところ。子ども一人ひとりが最適な医療を受けられる体制づくりを進めたいですね。

 日本小児がん研究グループ(JCCG)の三重県唯一の診断センターとして診断・解析を行うほか、がん経験者に対する長期フォローアップも行っています。さらに在宅医療を支援する「小児トータルケアセンター」を設置、多職種連携で小児がん医療を進めています。

 もう一つの強みは、循環器です。川崎病の冠動脈病変や肺高血圧をテーマに研究を続けるとともに、最近、神経分野に着手。今後発展させていくつもりです。

―「三重こどもメディカルコンプレックス(MCMC)」とは。

 県内には独立した子ども病院はありません。その役割を果たすのがMCMCです。津市内にある国立病院機構の病院2カ所と機能分担し、トータルで「三重こども病院」を形成しています。

 三重大学は、がんと循環器疾患を担当。新生児や発達の分野は「総合周産期母子医療センター」でもある国立病院機構三重中央医療センターが担当。大学でも先天性疾患や他診療科と連携できる外科系疾患を診ています。

 感染症やアレルギーなどの急性疾患、および腎臓や内分泌などの慢性疾患をカバーするのが、国立病院機構三重病院。もともと子どもの療養施設であることから、重症心身障害児者の病床も持ち合わせて手厚いケアを行っています。

 連携は診療だけにとどまりません。2病院は三重大学大学院の連携大学院としての機能を完備。各専門医だけでなく、学位も取得できます。人員には限りがあるので大学で五つ六つの研究分野を持つのは厳しいですが、この体制なら例えば大学に30人、三重病院に25人、三重中央で20人という配置で各専門性を特化できます。

 また大学の小児科専門医プログラムでは入院設備のあるすべての関連施設で研修が可能ですが、例えば1年目は北なら県立総合医療センター、南なら伊勢赤十字病院でしっかり修練し、2~4年目でこの3病院を効率的に回ることで、ひととおり学ぶことができる。研修効果は、非常に高いですね。

―今後の方向性は。

 小児科医不足を改善するため、15年ほど前から県内6地域で大学主導による集約化を進めてきました。しかし、少子化が進む20年30年先を見越せば、さらなる集約・効率化は避けて通れません。

 急性期ベッド数は減らす一方、在宅レスパイト機能はより拡充の必要があるでしょう。重症心身障害児の入院施設が不足ぎみで、特に北勢地域には新設したいところです。

 さらに全国的にもそうですが、児童精神領域の医師不足は深刻です。今春から三重県立子ども心身発達医療センターで1人が研修を開始、今後も数年に1人は目指してくれそうです。将来的には、施設ごとに配置できるのが理想ですね。

 小児科は病気だけを診る科ではありません。保健師や看護師、学校教員や行政職員など多職種連携の中で仕事は進み、人も育ちます。虐待などの社会的問題が取り沙汰される中、健康な子が健全に発育するのをサポートするのも私たちの使命です。それを若い人にも伝えていきたいですね。

三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座 小児科学分野
津市江戸橋2―174
☎059―232―1111(代表)
https://www.hosp.mie-u.ac.jp/pediatrics/

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