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一人一人が力を発揮する それが病院の強みを生む

一人一人が力を発揮する それが病院の強みを生む

社会医療法人 春回会 長崎北病院 佐藤 聡 院長(さとう・あきら)
1979年長崎大学医学部卒業、1981年同大学院医学研究科第一内科修了。
カナダ・ケベック大学留学、長崎北病院神経内科医長などを経て、2009年から現職。

 脳神経内科を中心とする診療体制へとかじを切って四半世紀。パーキンソン病のリハビリなどにも注力し、診断・治療から慢性期のサポートまで、トータルで対応できる病院を目指してきた。近年の高まるニーズに対して、どのように向き合っていくのか。佐藤聡院長に聞いた。

―近況はいかがですか。

 高齢化の進展に伴ってパーキンソン病の患者さんは増加傾向にあると言われています。当院でも年々増えていると感じています。

 神経・筋疾患の治療に当たっては、MRI検査、アイソトープ検査、薬物治療、リハビリテーションなど、診断から在宅復帰まで、さまざまな機能を備えていることが必要です。また、退院後の暮らしについてアドバイスする医療ソーシャルワーカーの存在をはじめ、在宅医療の支援が求められることも多いのです。

 パーキンソン病は診断までに一定の時間を要しますし、特に急性期病院では在院日数の関係なども考慮しなければなりません。

 医療機関が神経・筋疾患の患者さんを受け入れる体制を整えるのは容易ではありません。当院には急性期一般病棟に加えて回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟があり、この領域に特化した診療体制を特徴としています。

 さまざまな専門職が力を発揮しています。例えば胃ろうから小腸内に治療薬を持続投与する「デュオドーパ」は、従来の薬物療法でコントロールできないパーキンソン病の症状に対して行います。高い技術を要するため、対応できる医療機関は限られています。

 また、リハビリのスタッフは200床に対して150人ほど。人的、質的な強化を進めており、成果をしっかりと出せるリハビリに努めています。


 最近では、関節リウマチの患者さんが増えていることもあって、非常勤の先生方の増員なども図りながら診療体制の充実を目指しているところです。

―職員の働き方についてはどのような取り組みを。

 やはり患者さんとのかかわりの中で、結果的に一定の時間外労働が発生することがあります。

 「できるだけ早く帰りましょう」「有給休暇を取得しましょう」と積極的に声をかけて、意識改革を促すことを心掛けています。また、出退勤のシフトを見直すことで、時間外労働の低減につながっています。

 女性スタッフの働き方に関しては、院内保育所を設置したことで、離職率を下げることができました。働きやすい病院というイメージづくりに役立っているようで、就職希望者も増えつつあります。

 人材育成については、国内外問わず積極的な学会発表を推進しています。

 もう一つ、長期的な観点での学生の実習も大切にしています。「人に教える」ことを通して「自分に足りない部分に気がつく」というメリットもあります。教育環境に配慮することで、看護師や理学療法士らの就職希望者も増えました。

 高齢化に伴って認知症などの合併症がある患者さんはさらに増えていくでしょう。当院は認知症の診療部門はありますが、精神科領域の疾患や、重度の認知症患者の受け入れを想定した病棟はありません。

 しかし、自分たちの得意分野だけという意識では、これからの病院経営は成り立たないでしょう。職員にはそれを基本と考え、一定程度のことは院内で工夫して対処する。そんな心構えが必要だと話しています。

 病院の増築計画も進行中です。新たに3・0テスラのМRIを導入するほか、患者さんやそのご家族の交流スペースも検討しています。リウマチ治療では、生物学的製剤の専用の注射室も設置予定です。

 当院に必要なものは何か。先を見すえてしっかりと考え、選択していきたいと考えています。

社会医療法人 春回会 長崎北病院
長崎県西彼杵郡時津町元村郷800
☎095─886─8700(代表)
http://www.shunkaikai.jp/kita/

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