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一人ひとりの生活を医療と介護でサポートする

一人ひとりの生活を医療と介護でサポートする

   延谷  壽夫 理事長・院長(のぶたに・かずお)
1989年久留米大学医学部卒業、山口大学医学部整形外科入局。
徳山中央病院、国立下関病院などを経て、1997年から現職。

 2017年成立の「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」を受け、介護療養病床を介護医療院へ転換した医療法人太白会シーサイド病院。長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者に向け、より質の高い体制で療養生活を支援する。延谷壽夫理事長・院長に、話を聞いた。

―シーサイド病院の介護医療院の役割や具体的な取り組みとは。

 当院では、2018年3月から半年間の準備期間を経て、昨年11月に介護医療院の開設に至りました。定員は55人。医師、看護師、介護福祉士らを配置し、医学管理が必要で要介護状態にある高齢者を受け入れています。

 介護医療院は、日常生活の医学管理や看取(みと)り、ターミナルケアなどの医療機能と生活施設としての機能を求められます。医療環境中心の介護療養病床から、住まいと生活を医療が支える新たなモデルになるため、当院でも転換の際に、職員の配置や療養環境の設備を見直しました。

 具体的には、プライバシーを確保するため可動式の間仕切りを導入したり、職員の制服を白衣からポロシャツに変更したりと、入所者の方にとって生活感を意識できる施設づくりに励んだのです。実際、入所者の方からも「介護療養病床だったころよりも雰囲気が明るくなった」と好評で、笑顔も増えた印象です。

 また、独自の取り組みとして、毎月第1水曜日に「認知症カフェ」をオープンしています。お茶やコーヒーを提供し、健康体操、合唱などのイベントを開催。これは娯楽と居場所づくりを目的とした取り組みで、入所者だけでなく、地域の方、ご家族なども参加できます。

 日本慢性期医療協会の中につくられた日本介護医療院協会が定める介護医療院の理念にも、「地域に開かれた地域貢献施設」とあります。介護医療院が、地域の交流の場としても活用されたらと思っています。

―転換から現在までの歩みを教えてください。

 初めての試みで、分からないことだらけでした。転換にあたっては、先立って開設されていた宇部記念病院の介護医療院を複数の職員で訪問し、見学や勉強会を開催するなどして、6カ月で移行が完了しました。

 現在は、より質の高いサービスを目指し、毎月、施設会議を開催しています。特に介護医療院になって導入した看取りやターミナルケアについては、最期の生活をどう充実させていくか、何ができるか、まだまだ、学ぶべきことが多い。入所者の方やご家族の幸福感や満足度は、入所者の方と関わる私たち医療者の対応次第で、大きく変わってくると感じています。

 入所者の方が一時帰宅を望まれれば、その希望になるべく寄り添ったり、自宅で愛用していたものを持ち込みたいとなれば、できる限り希望を聞き入れたり…。入所者一人ひとりに対して、さまざまな対応があるのです。

 多くの方のニーズに応えられるように、長期療養だけなく短期療養の受け入れもしています。個人の日常生活や思いを尊重したサポートに力を尽くすことが、私たちの役目だと思っています。

―今後の展望について聞かせてください。

 当院の介護医療院では、「お一人おひとりを尊重した明るく家庭的で生活感あふれる施設」を目指していく予定です。参加型のイベントなどを増やし、入所者の方が楽しめる活動を増やしていきたいと考えています。

 これから、高齢化がさらに加速します。介護医療院のニーズは今以上に高まる。医療、、そして施設のサービスの質を向上させ、入所者の方やご家族に、より満足していただける環境を整えていくことが使命です。


医療法人太白会  シーサイド病院
山口県宇部市東岐波丸尾4322─1
☎0836―58―5360(代表)
https://yfuruya31.wixsite.com/seasidehp

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