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ワンチームで若手を育成

ワンチームで若手を育成


教授(うちだ・じゅんじ

1993年大阪市立大学医学部卒業。
PL病院、大阪市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学講師、同准教授などを経て、
2020年から現職。

 入局して27年、そのほとんどを教室とともに歩んできた内田潤次教授。これまで培ってきた教室員や関連施設などとの信頼関係を礎に、「若手教育をより効率的に推し進めるため、医局員全体でワンチームとなって臨みたい」と語る。

「人生を前向きに」腎移植に懸ける思い

 入局後、最初に配属されたのは腎移植チーム。「そこから今まで、一本道で歩んできました」と振り返る。

 当時、腎移植のメリットは今ほど知られておらず、手術件数は年間5件ほどだった。そこで透析施設などでの啓発活動を続けると、徐々に件数が増加してきた。「患者さんと向き合い、実績を積んでいくうちに、『大阪で移植するなら市大で』という声をいただくようになりました。ありがたいことだと思います」

 しかし、希望者が増えたことで、手術は1年待ちの状態となった。「少しでも早く、患者さんに安心してほしいという思いもあり、就任後、月2回の手術を3~4回に増やす体制を整えました」

 日本での腎移植の多くは生体間移植だ。「成功して当たり前、その自信がないとできません」

 印象深い患者にも巡り合ってきた。例えば、若くして腎不全を患い自暴自棄となった青年。腎移植の後、180度、人が変わったことに驚いたという。「腎移植を受けたことで、人生に前向きになられたのでしょう。うれしかったですね」

 腎移植は、最終手段としてすがる思いで選ぶ患者がほとんどだが、実は透析より生命予後が良いという長所はあまり知られていないと内田教授。「ドナーの問題が立ちはだかってはいますが、腎移植とは、長生きをするための選択肢であることが、少しずつ広がればと思います」

力を結集して包括的に診る

 教室の一番の強みは、腫瘍や排尿機能などを扱う一般泌尿器科、腎不全診療という二つの領域を、バランスよく行っていることだと話す。「その腎不全医療も、透析と移植を同時に手掛けているのが特長です。その伝統は、しっかり受け継いでいきます」

 さらに2021年には、腎臓内科と連携し、保存期腎不全治療、腎移植、透析療法と包括的な腎不全治療を提供する腎センターを開設予定だ。「腎臓の病態は複雑で、より包括的に診ることのメリットは大きい。患者さんの選択肢が増え、診療や研究のレベルも向上できると期待しています」

 泌尿器科は、腫瘍、排尿機能、男性学、感染症、小児、尿路結石、女性泌尿器科、腎不全など、サブスペシャリティーが多い分野だ。「そうなると、大学の中で教育を完結することは困難です。だからこそ大学医局だけでなく関連病院がワンチームとなって取り組みたいですね」

 尿路結石、前立腺のレーザー治療など、関連施設には、それぞれの得意分野がある。「私の目標は、個々の特色を、より強化すること。若手がローテーションしながら早い段階でスキルアップし、サブスペシャリティーを見定められるよう、設備投資も含めた環境整備に力を入れていきます」

 方針の根源にあるのは、世界に羽ばたく医師を育てたい、グローバルに医療貢献したいという思いだ。教室員の国際学会での発表を積極的に支援するほか、自らも東南アジアの国々への教育支援を通して、国際交流を続けてきた。

 その結果、2019年にカンボジアの国際大学客員教授に就任。コロナ禍が落ち着いたら、活動を再開したいと話す。「どの国の人も現代医療の恩恵が受けられるよう尽力することは、わが国の一つの使命です。教室の活動も、その一助になればと思っています

大阪市立大学大学院医学研究科 泌尿器病態学
大阪市阿倍野区旭町1ー4ー3 ☎06ー6645ー2121(代表)
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/urology/

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