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ユニークな特色を打ち出し地域の安心を守り抜く

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医療法人青心会
野中 家久 理事長(のなか・いえひさ )
1967年徳島大学医学部卒業。
大阪大学医学部附属病院第2外科などを経て、1984年から現職。

 奈良から大阪へ多くの急患が運ばれていた時代、「地元で患者を救いたい」との一心で病院を立ち上げて36年。その功績により、2019年末、内閣府から瑞宝双光章を受章した野中家久理事長。今も院内を駆け回りつつ、新しい治療法にも意欲を見せている。

―ある交通事故をきっかけに開業を決意したそうです。

 40年ほど前、救急の現場を学ぼうとあちこちの病院の当直を手伝っていました。ある日の当直明け、西名阪自動車道の奈良寄りトンネルで事故に遭遇。運転手を助け出し、到着した救急隊に「僕が当直していた(奈良県内の)病院に一緒に行きましょう」と提案したのですが「奈良はどこも診てくれないから」と、大阪の堺へ運んでいってしまったのです。がくぜんとしました。それなら奈良県内に救急病院をつくろうと決意して1984年、やっと開業にこぎつけました。

 以降、懸命に救急に対応してきたつもりです。今は救急医療にしっかり取り組まれる病院が増え、年間約2000件だった当院の救急搬送は1600件ほどに。県内で完結できるようになって本当にうれしいですね。

―今の医療に対する思いは。

 人口減に応じてベッド数を減らす構想が進む中で、現場は老老介護が増加。妻が入院中に夫が風呂で亡くなるなどのケースが目立ちます。病気を抱えて生活する人をどう支えるのかが課題です。

 当院は急性期の一般病床60床に加え、地域包括ケア病床40床、療養病床40床。法人として、隣に廊下続きの介護老人保健施設、向かいに介護付き有料老人ホームを展開し、一貫して地域医療を担ってきました。「何かあったときにお願いしたい」と頼まれますので、入院管理調整を常に行っています。

―特色のある医療を展開しています。

 病院の存続、発展のためには、独自性を持ち続けることが大事です。当院は「脳」「心臓」「腰痛」が運営の3本柱。特に腰痛は、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD)のほか、経皮的オゾン椎間板減圧術(PОDD)、これらを組み合わせたハイブリッドレーザー手術を実施。負担が少なく日帰りが可能で、治療実績は延べ3000件に上ります。インターネットで調べて遠方から来られる患者さんも多いですね。

 オゾン療法はヨーロッパで確立、認知された治療法。私はイタリアで学び、2013年から実施しています。椎間板ヘルニアの治療のほか、潰瘍性大腸炎などに対する注腸療法もあります。横になってガスを入れるだけなので、患者さんにとっても低侵襲な治療法です。

 3年ほど前から脳疾患に用いている高濃度水素療法にも期待しています。受傷あるいは手術後すぐに使うと治療成績が良い。脳梗塞と脳内出血を併発し、薬が使えない患者さんが副作用なしで仕事に復帰した例も。今後、日本酸化療法医学会で発表する予定です。

 高濃度ビタミンC療法や、プラセンタ療法なども行っています。何とかして痛みを和らげたい、頼るあてのない患者さんを何とかしたい、そんな思いが原動力ですね。その他、患者さんに有効と思える療法は取り入れていくつもりです。

―今後は。

 これからの民間病院は、総合診療科を中心とした体制になるべきだと考えます。当院の先生方には、オールラウンドに診てほしいとお願いしています。そこは今後、伸ばしていきたいことの一つでもありますね。

 病院をバトンタッチする時期は必ず来ます。その時期はそう遠くはないでしょう。今は人材の適材適所を見ているところです。それぞれの人が強みを生かして活躍している組織が理想です。

 私は現場が好きです。これからも、患者さんと向き合い、関わり続けていきたいと考えています。

医療法人青心会 郡山青藍病院
奈良県大和郡山市本庄町1―1
☎0743―56―8000(代表)
https://www.seiran.or.jp/

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