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モチベーションの源は「もし自分の家族なら」

モチベーションの源は「もし自分の家族なら」

 
前原 正明 院長(まえはら・ただあき)

1974年横浜市立大学医学部卒業。慶應義塾大学外科心臓血管外科、
防衛医科大学校外科学講座主任教授、一般社団法人巨樹の会副理事長、
みどり野リハビリテーション病院院長補佐などを経て、2015年から現職。

 カマチグループにおける東京都内で初めての回復期リハビリテーション病院として、2011年5月に開院した。当時、都内にはまだリハビリテーションを専門とする医療機関は少なかった。早期の在宅復帰を実現するために、蒲田リハビリテーション病院は何を大切にしてきたのか。前原正明院長を訪ねた。

―高い在宅復帰率を維持しています。

 カマチグループの基本理念である「手には技術、頭には知識、患者様には愛を」の精神の下、患者さんの状態に合わせたテーラーメードのリハビリを目指しています。脳血管疾患や運動器疾患を中心に、廃用症候群や心臓リハなどにも対応します。回復期のリハビリテーションに関する領域をほぼ網羅していることが当院の特徴だと思います。

 当院の患者さんの平均年齢は77歳前後。中には90歳を超える方もいらっしゃいます。当院では、単に年齢だけでリハビリのプログラムを判断することはありません。あくまでも患者さんの状態や希望に応じて「どうすれば早期の回復を後押しできるか」という観点から作成します。

 ですから、もちろん無理のない範囲で、1日3時間の集中的なリハビリを高齢の方に実施することもあります。スタッフはみな「もし自分の家族だったら」という思いで患者さんと向き合っています。それがモチベーションの源になっているのだろうと思います。


―現在どのような取り組みを進めていますか。

 数年前から、当院を退院された一部の患者さんを対象に訪問リハビリも行っています。自宅に戻れたからといって、もう何もしなくてもいいという方ばかりではありません。日常生活を送るために、引き続きリハビリを必要とするケースも少なくないのです。高齢の方は、継続的に訓練しなければ身体機能が後退しやすい。

 そこで訪問リハビリによって機能の維持、さらには強化を図ります。ここ大田区内で、地域のクリニックの先生方とも協力して展開しています。高齢の患者さんを受け入れる際には、併存疾患や術後の合併症などに注意が必要です。

 当院には整形外科や脳神経外科、神経内科、総合内科など各分野の医師がおり、私自身は心臓血管外科を専門としています。心臓血管外科の領域について言えば「この治療ならこんなふうに回復するだろう」といった予測が可能ですし、気を付けるべき点が分かります。

 このように、当院ではしっかりと全身を管理しながらリハビリを進めていくことができます。この体制があるからこそ、急性期病院で治療を終えた患者さんの早期の受け入れが可能です。地域の大学病院をはじめ、循環器などの専門病院、横浜市や川崎市といったエリアの病院とも密に連携しています。


―今後のイメージを。

 将来的には病院の機能を広げていくことが必要だろうと考えています。例えば、認知症の患者さんに対する体制をより拡充したり、心臓リハビリ領域の強化を進めたり。これまでの回復期リハビリテーションに「プラスアルファ」できる要素を探っていきたいと思います。

 働く場としては、やはり「いい病院」でありたいですね。コミュニケーションが活発で職員の顔が生き生きとしている。そんなオープンな環境が理想です。なぜなら、医療はチームで行うものだからです。

 医師、看護師、栄養士、セラピスト、ソーシャルワーカーや事務。各部門が専門性を発揮しつつ、自由なディスカッションでチーム医療を形成する。それが医療の質を高めることにつながり、積み重ねていくことで良い循環が生まれる。そうして、真に患者さんを支える医療が実践できる。そう考えています。

 「自分の家族を託せる病院」。そんな場所を目指して歩みたいと思っています。


一般社団法人巨樹の会 蒲田リハビリテーション病院
東京都大田区大森西4─14─5
☎03─5767─7100(代表)
http://www.kamata-rh.net/

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