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チーム医療を生かし医療の質の向上へ

チーム医療を生かし医療の質の向上へ

広島赤十字・原爆病院 
古川 善也 院長(ふるかわ・よしなり)

1980年広島大学医学部卒業。済生会呉総合病院内科、
広島大学医学部附属病院第一内科(現:広島大学病院消化器・代謝内科)、
広島赤十字・原爆病院副院長兼消化器内科部長を経て、2016年から現職。

 2016年の院長就任から5年目を迎えた古川善也院長。就任当初からチーム医療の重要性を語っていた古川院長に、病院運営の現状、今後の方向性について話を聞いた。

─チーム医療の現状は。

 2016年から本格的に入退院管理システムPFM (Patient Flow Management)を導入しています。今では、入院患者さんの約半数が、PFMを通している状況です。PFMは、看護師、事務職、医療ソーシャルワーカー、臨床心理士などがチームを組む「地域連携・入退院センター」で患者さんのデータを収集し、入院日数の適正化、地域連携による支援などを実施。チーム医療の成功例の一つと言えるでしょう。

 ほかにも多くのチーム医療を実践しています。例えば感染制御チームは、感染管理認定看護師を中心に、医師、薬剤師、検査技師など各職域から選出されたスタッフで運営。排尿ケアチームは、医師、看護師、作業療法士で構成。認知症チームの場合は、医療ソーシャルワーカーも参加しています。栄養サポートチームは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師が参加しています。

 最近は入院期間が非常に短くなり、その短い期間の中で、いかに医療の質を上げるかを考えると、やはり多職種によるチーム医療は欠かせないでしょう。

 例えば、感染制御チームの場合では、薬剤師が「この感染ならこちらの抗生剤がいいのではないでしょうか」とサジェスチョンすることもあります。薬剤師や看護師からのサジェスチョンを医師がとり入れる場面は少なくありません。これらの相互協力こそが、チーム医療であり、質の向上につながるのです。

 2020年の年間目標の中に、今流行の「ワンチーム」という言葉を入れました。多様な人たちが一つにまとまって、同じ方向を目指していく、まさにチーム医療にぴったりの言葉です。

─今後の方向性について。

 今後、、急性期型病院は、今まで以上に厳しい経営環境になると考えています。病院の収益を上げつつ、医療の質も上げる必要があります。これには職員の質が何より大切です。その点、当院には質の良い職員がそろっています。優秀な人たちが、チームで動いてくれることは大きな力です。

 今後はさらにPFMの付加価値を高めたいと思っています。せっかく病院全体で取り組んでいることですから、十分有効に活用していきたいと思います。課題は、後方連携です。入院前の連携はしっかりできているので、退院後の支援や転院先の調整、カンファレンスの実施など後方連携にも力を入れていきたいと思っています。

─地域医療における役割を教えてください。

 今後も、・急性期型病院として運営していく予定です。

 広島市では2045年ごろまで高齢者の人口は増加します。また65歳から75歳までの急性期医療が必要な人口は、今後一時的に減少しますが、2035年ごろより増加に転じ、2040年ごろにピークを迎えると予想されています。当院は、病床減少のダウンサイジングを実施済みです。現在96・7%の病床稼働率ですので、現体制維持の方向です。

 ただし、、急性期医療を担う以上、一定の病床数の確保は必要です。高齢化が進めば、必然的に治療方針も、回復期・慢性期、そして看取(みと)りを中心とするものへ変わってくるでしょう。だからといって私たちが今、安易に回復期や慢性期へと変わるわけにはいきません。

 今後も地域の連携医療機関、住民の皆さんの期待に添うような「地域とともに生きる病院」として、愛され、支持される選択をしていきたいと思っています。

広島赤十字・原爆病院
広島市中区千田町1―9―6
☎082―241―3111(代表)
https://www.hiroshima-med.jrc.or.jp/

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