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チャレンジプランでつくる 新たな病院の姿

チャレンジプランでつくる 新たな病院の姿

青森県立中央病院 藤野 安弘 院長(ふじの・やすひろ)
1979年弘前大学医学部卒業。八戸市立市民病院などを経て、
2008年青森県立中央病院循環器センター長、2016年から現職。
弘前大学医学部臨床教授。

 高度急性期医療を担う青森県立中央病院。2019年は、4年に1度の中期計画スタートの年だ。計画名は「県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019」。その狙いと内容は。

―「県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019」がスタートしました。

 青森県では、弘前大学医学部が県内唯一の医学部として医師の育成や高度医療を担っています。ただ、同大学は弘前市内にあります。県庁所在地の青森市にある当院は、県の中心部に位置すること、病院の規模も大きいことから、伝統的に高度医療、最先端の医療といった大学病院に近い役割を追い求めてきました。

 しかし、今、時代が当院に求めているのは、地域医療構想や地域包括ケアといった国の方向性に沿った新たな病院像をつくり上げることだと考えています。

 これまでと同様に最先端で高度な医療を提供しつつ、新たなミッションとして地域医療にも目を向ける必要がある。そこで、2019年スタートの計画は「県立病院チャレンジ(挑戦)プラン2019」と名付けています。

 地域の中でこの病院がどういった役割を果たしていくべきか。果たしていけるのか│。地域医療との連携を強化するのが「チャンレンジプラン」の大きな狙いです。

 プランを具体化する取り組みの一つとして、組織体制の見直しを進め、今年4月、地域医療支援部を創設しました。当院のある2次医療圏の介護施設や福祉施設との連携を、具体的にどう進めるのかを、今後、検討していきます。

 その一貫として「看取(みと)り支援」ができないかということも考えています。地域の開業医の先生方や介護・福祉関連施設スタッフの負担を少しでも減らすためには、どのような支援が可能なのか。緩和ケアセンターの責任者でもある的場元弘副院長を中心に、高度急性期を担う病院が行う看取り支援のあり方を、考えていきたいと思っています。

 すでに、地域の介護・福祉関連施設の位置などを示したマップを作成し始めています。各施設に配置されている看護師の数など、必要だと思われる情報も盛り込んでいます。時間も手間もかかりますが、地域の医療や介護にかかわる施設、人々と一層密に関わろうという意識で、現場も変わろうとしています。

―運営面で力を入れてきたことは。

 臨床現場では横断的な診療体制が必要だと考え、2008年から、がん、循環器、脳神経、糖尿病の分野でセンター化を進めてきました。これによって、職員間の診療科の垣根を越えた横の連携も強まっていると感じています。

 当院の建物は、現在のように診療科間や職種間の連携が活発になる以前の1970年代建設。職員が過ごす部屋が診療科ごとに分かれるなど、ハード面だけ見ると、連携に〝不利〟なのです。職員一人ひとりが、セクショナリズムをなくすという意識を持たなければ、診療科を越えてお互いに相談をし合える環境はできないと考えています。

 現在、医師の数は176人。まだまだ足りないと考えています。ただ、青森県は全体でリソースが少ない県なので簡単に増やすことは難しい。風通し良くコミュニケーションをとることで、一人ひとりの生産性が上がり、人数の少なさをカバーできればと思います。

 2017年12月、院内にTQM(総合的品質管理)センターを設置しました。一番の目的は、病院の質の向上のための方法をトップダウンではなく、ボトムアップで探っていくこと。患者満足度を上げるために、現場の意見は欠かせません。職員の提案を採用し、病院が良くなったと実感してもらうことができれば、職員のモチベーションアップにもつながると考えています。

青森県立中央病院
青森市東造道2-1-1
☎017-726-8111(代表)
https://aomori-kenbyo.jp/

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