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ダビンチ導入によって地域医療の質を向上

ダビンチ導入によって地域医療の質を向上


病院長(ふせ・はるき)

1983年金沢大学医学部卒業。
同泌尿器科学教室講師、厚生連高岡病院泌尿器科診療部長、舞鶴共済病院病院長代行などを経て、
2011年から現職。

 2019年4月、舞鶴共済病院が京都府北部地域では初めてとなる手術支援ロボット「ダビンチ」を導入した。泌尿器科を軸に、手術件数も順調に伸びている。しかし、導入までの道のりは決して平たんなものではなかった。導入の目的や現在の状況について、布施春樹病院長に話を聞いた。

—今年4月からダビンチの手術がスタート。

 4月22日に1例目を実施しました。施設認定を受けた後、6月からダビンチによる手術に本格的に取り組んでいます。

 患者さんの多くが舞鶴市の開業医の先生方からの紹介です。地元からの紹介件数としては、前立腺がんの新規の患者さんの数がこれまでの2倍程度増加しています。開業医の先生方には大変感謝しています。

 従来からの前立腺全摘出術の実績に加えて、ダビンチ導入について、地域の先生方に広く理解いただいた結果だと考えています。

 ダビンチ導入の目的はいくつかありますが、患者さんにとっては地域で医療が完結できることが第一です。ダビンチによる手術を希望しても、実施できる施設が地域になければ治療が選択できません。舞鶴市から京都市内までは2時間程度はかかります。その手間を考えると、なかなか容易ではありません。

 ダビンチはこれまで、京都府北部地域の病院に全くなかったので、今後当院が担う役割は大きいのではないでしょうか。

 手術は京都府立医科大学にご協力を頂いています。ただ、いずれは専門医が常駐できるように、教育面などで働きかけていく必要があると感じています。

 地域においても、これまであまり当院での治療実績が多くない、舞鶴市を除く京都府北部地域全体の患者さんにも活用してもらいたいと考えています。

 導入決定後は、地域の病院に足を運び、ダビンチ手術も含め当院の治療実績などを改めて説明しています。

—医師不足については。

 京都市内は医師数が潤沢のようですが、府の北部はかなり厳しい状況です。

 当院がダビンチ導入に踏み切った理由の一つも、医師の確保につながると考えたからです。

 若手の外科医の場合、ダビンチによる手術を経験できる病院で技術を磨きたいと考えているようです。外科医の確保のためには、ダビンチの導入は不可欠だったのではないでしょうか。

 幸いなことに、舞鶴市はダビンチに対して理解を示し、導入に当たって助成金をいただくこともできました。

 またそのように地域の理解を得たことがはずみとなって、当院の母体となる国家公務員共済組合連合会本部の了解を得ることにもつながりました。

—ダビンチ導入の院内での効果は。

 ダビンチ手術を実施するには、医師だけでなく看護師、特に臨床工学技士の力量が重要となってきます。このためダビンチチームは他病院での研修などに積極的に参加し、連携しながら取り組んでいます。

 私は日頃から、新しいことに挑戦しよう、と職員にも声をかけてきました。これまでにない挑戦をすることが病院全体の活性化にもつながると思います。

 今後、消化器外科でもダビンチ手術を実施できるよう前向きに準備を進めています。泌尿器科だけでなく他科でもダビンチを活用することで、導入の効果も上がります。また、外科のチームが加われば、将来的にロボット手術の拠点といった存在になる可能性もあるでしょう。

 地域の方への情報発信も必要だと思います。9月には市民医療フォーラムを実施し、市民向けにダビンチ手術についての講演をしました。今後もロボット手術のメリットを、地域の皆さんにも伝えたいと思っています。

国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院
京都府舞鶴市浜1035
☎0773―62―2510(代表)
https://www.kkr.or.jp/hospital/maizuru/

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