九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

センター化で特色を明示 工夫と連携で病院運営

センター化で特色を明示 工夫と連携で病院運営

金沢赤十字病院 岩田 章 院長(いわた・あきら)
1976年金沢大学医学部卒業。
同大学医学部第一内科、金沢赤十字病院内科部長、同副院長などを経て、2009年から現職。

 金沢赤十字病院が所在する「石川中央医療圏」は、人口10万人当たりの病床数、医師数ともに全国平均を大きく上回る。病院が多く集まるこの地域において、赤十字病院としてどのように活動しているのか。

―地域特性と役割は。

 当医療圏は、言うなれば急性期病院の〝激戦区〟。金沢大学附属病院と金沢医科大学病院に加え、2次救急病院も数多くあります。

 われわれの病院は、全243床と中規模です。こういった状況の中でどのような経営方針をとるのか、これは常に課題です。

 当病院の役割としては、大きく分けると2本の柱があります。

 一つは赤十字病院としての役割でもある「災害時医療」。2011年に発生した東日本大震災の際は、医療救護班8班と心のケア班2班、2016年に起こった熊本地震の時には、医療救護班1班と心のケア要員2人を被災地に派遣しました。

 災害時医療は、時間の経過とともに必要な診療が変化していきます。最初は外科分野、次に内科、最終的には心のケア。院内の通常の診療を続けながら、現地で必要となる専門分野、数の医師が派遣できるよう調整し、日本赤十字社本社からの指示のもと送り出します。

 もう一つの役割としては、日常診療。地域住民のために、質の高い医療を提供できるよう常に工夫をしています。1925年の設立時、ここは産院でした。1980年ごろは年間およそ900件を超す分娩数を記録したことも。しかしそこから時代は大きく変わりました。

 診療科目も変更し、現在は内科、外科、整形外科、眼科、リハビリテーション科など16診療科を有しています。

 高齢者の増加に伴い、多角的なケアが求められるようになったため、急性期病棟以外に回復期リハビリテーション病棟43床、地域包括ケア病棟80床も保持しています。

―具体的な取り組みと、今後は。

 大病院から同規模まで、さまざまな病院がひしめく当地域において、病院の特色を打ち出すため、数年前からセンター化を進めています。

 現在は、「糖尿病・腎センター」「消化器病センター」「骨・関節・脳血管リハビリセンター」「患者総合支援センター」の四つ。病院内にもともとあった機能を、昨今の患者さんのニーズに合わせ、再編成したイメージです。

 「糖尿病・腎センター」はその名の通り、糖尿病と腎疾患を専門に担当する診療科。早期から進行期まであらゆるステージに対応できるよう、医師、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士など24人の糖尿病療養指導士がチームとなっています。

 「消化器病センター」は、内科と外科が連携して治療に当たります。消化器の治療には、薬物治療から手術まで多くの選択肢があります。

 これまでのように内科と外科に分かれての診療の場合、患者さんの目線からすると受診順序の悩みや診療時間のロスが少なくない。内科と外科の垣根を越えることで、ロスを減らし最適な治療方法を提案できることが強みです。

 他にもリハビリ中心の「骨・関節・脳血管リハビリセンター」をつくったほか、患者さんの入院前から退院後までケアする「患者総合支援センター」を開設し、患者さんにしっかりと寄り添える体制を整えました。

 ここ最近、眼科手術の症例数も伸びています。「多焦点レンズ手術」というもので、県内では取り扱いが少ないことも理由のようです。

 当院の得意なことは当院に患者さんを紹介いただき、他院が得意なことは他院に依頼するといった近隣医療機関との連携も図っています。診療工夫と連携を一層推し進め、心のこもった診療を心がけていきたいですね。

金沢赤十字病院
金沢市三馬2―251
☎076―242―8131(代表)
http://kanazawa-rc-hosp.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる