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スムーズな院内連携が重要 臨床研究も継続

スムーズな院内連携が重要 臨床研究も継続

医療法人社団誠和会 牟田病院
院長(やなせ・としひこ)

1980年九州大学医学部卒業。
米テキサス大学(ダラス校)生化学留学、九州大学医学部准教授、
福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科教授などを経て、2019年から現職。

 2019年3月まで福岡大学で内分泌・糖尿病内科教授を務めてきた柳瀬敏彦氏。4月、牟田病院の院長に着任した。福岡大学病院から近い牟田病院は、これまで「地域の人々の健康を守る病院」として地域医療に貢献してきた。就任から7カ月(2019年11月現在)。今の思いはどのようなものか。

就任後7カ月、相談しやすい雰囲気を

 これまで大学病院勤務が長かったという柳瀬氏。民間病院で院長を務めるのは初めてになるため、今、病院運営を新たに勉強中だという。「私はまだ新米院長なので、日々勉強しているところです。いろいろな部署の方が、さまざまな相談を持ちかけてくることが分かってきました」と話す。

 「それぞれの相談に対して的確な答えが出せているかどうかは別にして、まずは話を聞いて、解決策や方針を一緒に考えていく。それが私に課せられた仕事なのだと思っています」。病院内のあらゆる面に心を配る。

 実際、院長職の肝要な部分については、「皆さんが相談しやすい雰囲気づくりを心掛け、院内連携がスムーズに進むようにするのが、院長職の最も重要な仕事なのではないかと思います」と語る。

 柳瀬院長は、これまで主に九州大学病院に22年、福岡大学病院に10年ほどと、医師としての大半を大学病院で過ごしてきた。その中で、日本の大学病院に課せられている「臨床」「教育」「研究」の三つの使命を果たすことに注力してきたと振り返る。

民間病院からも研究で世の中に発信

 専門分野は内分泌・糖尿病内科。牟田病院の開設者で理事長の牟田和男氏と同様だ。

 出身医局の先輩でもある牟田氏や、九大時代の恩師であり牟田病院元名誉院長である名和田新氏とは、柳瀬氏が福岡大学教授の時代から、共同研究の形で高齢者糖尿病の臨床研究に取り組んできた。

 2018年と2019年には、糖尿病患者のフレイル(虚弱)やサルコペニア(加齢性筋肉減少症)に関する英語論文も発表している。

 牟田病院は多職種が連携してチームで高齢者の糖尿病や骨粗しょう症などの診療に向き合っている。また、日本糖尿病学会認定の教育施設でもある。

 「民間病院でもチームを組めば、研究成果を世の中に発信することはできますし、それが病院職員の励みや自信にもつながると思います」。診療に携わりながらも、これまでの経験を生かし、引き続き研究にも取り組んでいく構えだ。

生涯ケアの病院づくりを推進

 着任後の印象を「職員それぞれの業務に対する意識が高く勤勉。患者さんからもスタッフが非常に優しくて明るいとの声を聞いています」と語る。背景として、幹部職員が市内の民間系の中小病院にも呼びかけ、リーダー育成のための啓発的な勉強会を6年ほど前から年6回開催。中堅若手の職員が積極的に参加するなどの努力が払われているという。

 「今後は、予防医学の重要性から、健診部門にも一層、力を入れていく予定です。また、地域包括ケアの観点から、高齢者の医療と介護における、いわゆる入り口(入院)と出口(自宅や施設への復帰や入所)の循環をもっとスムーズにしていけたらと考えています」

 2年ほど前、牟田病院は新病院を開院。環境、動線に配慮した病院に一新した。同時に眺望のいい最上階に緩和ケア病棟が設けられた。2019年春には小児科医師が着任し、2020年春には隣接した敷地に保育園をオープンさせる予定だ。

 「病児保育、子育て支援、働いている方のための延長保育は理事長の夢でもあります」と柳瀬院長。これからも理事長とともに幼・小児から高齢者まで、生涯ケアのできる病院づくりを進めていきたいと語った。


福岡市早良区干隈3―9―1 ☎092―865―2211(代表)
https://seiwakai-hp.jp/

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