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コンソーシアム開設で第一歩を踏み出す

コンソーシアム開設で第一歩を踏み出す

岐阜大学医学部附属病院 吉田 和弘 病院長(よしだ・かずひろ)
1984年広島大学医学部卒業。広島大学病院講師、
英オックスフォード大学ジョンラドクリフ病院留学などを経て、
2007年岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野教授。
2018年から同大学医学部附属病院病院長兼任。

 就任以来、「社会と医療のニーズに応える病院づくり」を目指し、新たな取り組みを積極的に進めてきた吉田和弘病院長。1年余りにわたる活動について振り返る。

―就任時に四つの目標を掲げられました。

 一つ目が「中核病院としての役割を果たす」こと。二つ目が「臨床研究の充実を図る」こと。三つ目が「国際化」。四つ目が「働き方改革」です。

 それぞれの目標に対し、PDCAサイクルの手法を取り入れながら、運営会議を開き、具体的にできたことあるいはできなかったことを点検しながら前に進んできました。

 目標の一つに「臨床研究の充実を図ること」を掲げたのは、医学部附属病院として標準治療を実施するだけでなく、標準治療をつくり出す場でなければならないと考えているからです。

今年1月に開かれた
「岐阜圏地域コンソーシアム」の締結式。
左端が吉田和弘岐阜大学医学部附属病院病院長。

 海外の病院と治験・臨床研究で対抗していくためには、ある程度の病床数を持っていることが重要です。そこで今年1月、岐阜県総合医療センター(岐阜市)、岐阜市民病院(岐阜市)、社会医療法人蘇西厚生会松波総合病院(岐阜県笠松町)、当院の4病院で「岐阜医療圏地域コンソーシアム」を設立しました。

 コンソーシアムは合計すると2千床規模のユニットとなります。新たな薬剤の開発やがんゲノムの研究を進めるのに適した規模です。臨床研究や治験だけでなく、人材の育成といった面でも連携することで、それぞれの病院が単独で研修をするよりも、充実した教育が可能になります。

 まずは急性期4病院でのスタートとなりましたが、今後、多くの病院や団体が加わっていくことで、地域の連携が深まり、地域医療の課題解決につながることを期待しています。

 9月以降、コンソーシアムの4病院と岐阜市医師会、岐阜市薬剤師会で、「薬局での疑義照会に関する協定」を結ぶ予定です。

 現在は、患者さんの要望などによって薬局で処方箋とは違った処方をしたいと思った場合、薬剤師が主治医に電話をして判断を仰ぐ必要があります。しかし、すぐに主治医と連絡が取れない場合もあり、患者さんにお待ちいただくこともありました。

 協定は、薬剤師にある程度の変更の権限を持ってもらおうというものです。処方箋を変更するのですから、当日中に主治医に報告するのが原則ですし、薬を増やすことはできないなど、その範囲は限定されますが患者サービス向上の一つになると思います。

―胃がんに対する術後化学療法の研究でも成果を上げています。

 臨床研究では、ステージⅢの胃がんに対する術後の補助化学療法について名古屋大と共同研究を進めてきました。これまでS―1単剤で確立されていた標準化学療法と、S―1とドセタキセルの併用療法を比較。併用療法が無再発生存期間を有意に延長するという結果が示されました。

 今後、ステージⅢの胃がんに対する標準治療として、ガイドラインにも記載される見込みです。新たな標準治療を発信できたことをうれしく思います。

―国際化の分野での新たな取り組みは。

 訪日外国人数は右肩上がり。岐阜県でも飛騨高山地区など外国人観光客が急速に増加している地域があります。

 当院も、地域に住む外国人や外国人観光客の受診拠点としての整備を進めていく必要があります。そこで4月、担当部署として「国際医療センター」を院内に立ち上げました。各医局や海外からの医学部への留学生にも協力を仰いでいく必要がありそうです。

 英語に関しては比較的容易に対応できそうですが、韓国語、中国語などの言語に関しては、すぐに対応するのは難しいかもしれません。既存のサービスを利用したり、タッチパネルを整備したりできるよう、議論を進めていきます。

岐阜大学医学部附属病院
岐阜市柳戸1―1
☎058―230―6000(代表)
https://www.hosp.gifu-u.ac.jp/

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