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コロナ治療の経験を生かし 感染症と災害に強い病院を

コロナ治療の経験を生かし 感染症と災害に強い病院を

宇佐高田医師会病院
院長(かしわぎ・たかひと)
1985年東京慈恵会医科大学医学部卒業。
同大学附属病院、富士市立中央病院などを経て、
1999年宇佐高田医師会病院入職、2010年から現職

 第2種感染症指定医療機関として、近隣の医療機関や医師会との連携を図りながら新型コロナウイルス感染症の治療に当たってきた宇佐高田医師会病院。コロナ禍で得られた経験を最大限に生かしながら、新病院の建設を構想している。


―経緯と現状は。

 感染症病棟4床を有しており、新型コロナが拡大する前から患者の受け入れ体制を整えていました。外来では2020年2月中旬から発熱患者の検査治療を開始。実際に陽性者が発生したのは4月13日からで、約1年半にわたり現在(21年10月28日)までに300人の軽症から中等症の入院患者を受け入れてきました。また、20年10月1日からPCR検査機器を導入。延べ1698人の検査を行ってきました。

 当初は専用病棟4床での対応で済んでいたのですが、次第に陽性患者が増え、21年1月から3階を全て感染症病棟にして30床に増床。8月には全病床の約半分に当たる56床分を転換して最大36床まで増やして対応に当たりました。

 大変残念なことに、6月9日に職員の1人に陽性者が発生し、その後のPCR検査で10人の患者さんに陽性者が発生しました。その間、新たな入・退院と外来、救急診療をストップ。検査体制の強化と感染防止対策を徹底した上で、7月5日から通常診療を再開しました。10月中旬に大分県および保健所からの要請が解除され、10月25日から再び専用病棟4床に戻して通常診療を行っているところです。


―コロナ対応について。

 国内で感染が広がり始めた初期の頃は、メディアの報道などで非常に怖い病気だという認識がありました。そんな中で、専用病棟で勤務する看護師を募ったところ20人弱が志願。使命感に燃えて、覚悟を持って志願してくれたことを大変うれしく思いました。

 病院側としても近隣のホテルの客室を借り上げるなどして、職員とその家族の方に、できる限り配慮。感染症を専門とする看護師が在籍していることから、治療に関する指導や教育、メンタル面の相談を、引き続き担ってもらっています。

 地域連携の面では、大分県北部医療圏の宇佐・豊後高田・中津の3市でコロナ対応に当たる協力病院が申し合わせて、PCR検査の陽性者に対して全員CT検査を行うことにしました。なるべく早い段階で軽症・中等症の見極めをすることによって、その後の治療方針を決めていこうという考え方です。

 当院では軽症・中等症の治療を担当。重症化した場合は、大分県立病院、大分大学医学部附属病院に送ることになっています。現在までに自宅待機やホテル養から重症化した例はなく、県北地域での死亡者は2例という状況で、地域での取り組みが奏功したのではいかと考えています。

 また、医師会立病院であることから、地域の開業医との連携も欠かせないポイントです。当院がコロナ対応を全て引き受けるので、通常医療は医師会の病院で診てもらうという役割分担ができていました。コロナ患者が最も増えた時期でも、救急医療に対応してもらなどの連携がスムーズにできたと思います。


―今後への教訓、課題は。

 21 年で開設40年を迎え、老朽化も進んでいることから、数年前から新病院建設の計画を進めているところです。その基本設計に当たっては、今回の経験を最大限に生かしていきたい。何よりも感染症病棟と検査を行う施設は、完全にセパレートされた構造でなければならないことを痛感しました。

 また、災害拠点病院でもあるので、免震構造なども取り入れながら計画を進めていく予定です。22年度から設計を進めて3〜4年後の完成を目標に、感染症と災害に強い病院づくりを目指しています。

宇佐高田医師会病院
大分県宇佐市南宇佐635
☎0978-37-2300(代表)
http://www.utihp.jp/

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