九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

コロナ合同緊急アンケート〜医療経営の状況把握〜

コロナ合同緊急アンケート〜医療経営の状況把握〜

  会長)、 会長)、 会長)は新型コロナウイルス感染拡大による2〜4月の病院経営の状況把握を目的に合同で緊急アンケート調査を実施した。

 6月5日までに発表した報告によると、緊急事態宣言が出された4月の医業収入、医業利益率は10%を超える大幅減少。新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れた病院、病棟を一時的に閉鎖した病院を中心に、赤字となった病院の割合が増加するなど厳しい数字が浮き彫りとなった。


4月最悪の医業利益率 全病院マイナス8.6%

 調査は3団体に加盟する全病院(4,332病院)を対象に、5月7〜21日の期間、メールで調査票を配布し、回収した。5月21日現在の最終回答数は1,317病院(有効回答数1,307病院、有効回答率30.2%)だった。有効回答した病院の病床規模別は200床未満53%、200床~500床未満36%、500床以上11%。

 対応状況では帰国者接触者外来を設置したのは31.1%、コロナ感染症患者の入院を受け入れたのは28.5%、院内感染や「スタッフが濃厚接触者などで出勤できない」などで一時的病棟閉鎖に追い込まれたのは14.7%だった。

 4月は有効回答全病院(n=1,203)で見ると、医業収入(入院、外来、その他)は4億3147万円、医業費用(医薬品費、診療材料費、給与費、その他)は4億6787万円。医業利益率はマイナス8.6%で、前年比10.1ポイント減。コロナ患者の入院を受け入れていない病院(n=864)ではマイナス5.5%、同7.5ポイント減の落ち込みだったのに対し、受け入れている病院(n=339)ではマイナス10.8%、同12ポイント減、一時的病棟閉鎖病院(n=180)ではマイナス14.4%、同14.8ポイント減と厳しい数字を突きつけられた。


医業収入・費用はほぼマイナス 給与費だけプラス

 医業利益率の減少に伴い、赤字病院の割合も増加。2019年4月には全病院(n=1,203)の45.4%だった赤字病院の割合が、2020年4月は66.7%と21.3ポイント増加。全国最多の患者数を抱える東京都だけで見ると、コロナ患者の入院を受け入れた病院37病院のうち、89.2%に当たる33病院が赤字となった。

 医業収支を項目別に見ると、全国・東京とも医業収入はどの項目もすべてマイナスとなり、ほとんどが10%以上の減少。医業費用も多くがマイナスとなったが、給与費だけがプラスと突出していた。

 入院、外来患者、手術、救急受け入れが減り、日常医療が縮小する一方、コロナ対応に追われる医療現場の実態が明らかになった。


4月の外来患者 延べ数20%減、初診40%を超す減少

 4月の外来患者を見ると、有効回答全病院(n=1,299)の外来患者延べ数は前年同月比で19.7%減、初診患者数は41.6%減少した。特定警戒13都道府県の病院(n=718)では外来患者延べ数は22.7%減、初診患者数は45.7%減とほぼ半減した。東京(n=97)は外来患者延べ数は29.7%減。初診患者数は63.5%減で3分の1となった。

 病床利用率は、有効回答全病院(n=1,256)で81.8%から75.2%となり、6.6ポイント減。コロナ患者の入院受け入れ病院(n=365)で77.8%から66.9%へ10.9ポイント減。一時的病棟閉鎖病院(n=188)では78.8%から67.2%へ11.6ポイント減。

 4月の手術件数を見ると、有効回答全病院(n=1,307)の平均手術数は165件から136件と17.5%の減少。救急受け入れ件数も救急患者受け入れ件数が404件から263件へ34.9%減。このうち救急車受け入れ件数は133件が103件と22.6%の減で、厳しい数字が並んだ。


地域医療継続に支援必要 医療崩壊懸念

 全日本病院協会の猪口会長は「4月は外来・入院とも大幅減で、経営は著しく悪化した。5月はさらに悪化し、長期化する見通し。地域医療継続には様々な支援が必要だ。受け入れ病院では診療報酬上の配慮はあったが悪化は深刻。病棟閉鎖病院の悪化傾向も顕著。緊急的な助成がなければ、コロナ感染症への適切な対応は不可能で、地域医療崩壊が懸念される」と総括している。

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

メニューを閉じる