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グループ3病院が連携 地域の医療に応える

グループ3病院が連携 地域の医療に応える


仲 成幸 院長(なか・しげゆき)

1990年滋賀医科大学医学部卒業。
米ジョンズ・ホプキンズ大学留学、滋賀医科大学外科学講座(消化器・乳腺一般外科)准教授、
日野記念病院院長代行などを経て、2019年から現職。

 1985年に開設された日野記念病院は、日野町を中心とした地域医療と、質の高い急性期医療を提供している。2017年から院長代行を務め、2019年4月、院長に就任した仲成幸氏に、消化器センターや救急体制など地域医療の充実を目指した新たな取り組みについて話を聞いた。

新たな救急体制を導入

 学生時代から親しみのあった滋賀県で、かつての指導医だった前院長に誘われて2017年に院長代行として入職。2年後の2019年4月に院長に就任した。

 それまでは大学病院での勤務がほとんどだったため、地域医療は手探りでのスタートだったという。

 「最初から消化器外科医としてだけでなく、院長代行として病院全体も見ていました。急性期病床が110床、療養病床が40床、合計150床の病院で、日野町の人口は約2万1500人です。過疎化が進み人口密度が低下する中、地域住民の要請に応え、信頼される病院づくりが必要だと思いました」

 患者さん一人ひとりのニーズに合わせて診察し、夜間や時間外にも対応するべく、それまではなかったホットラインを設置。以前は受付にかかっていた救急隊からの電話を直接医師が取り、当番も決めて24時間対応できる体制を整えた。

 救急受け入れは、専門外で対応できないこともあるが、応需率90%が可能になった。今後はもう少し数を増やして、地域の人が安心して暮らせるように努める。

急性期の専門医療を3病院で連携

 「まずは住民の安心をサポートし、地域医療に貢献すること。その上でさらに幅広いエリアと患者さんをカバーできるように、専門的な急性期医療にも力を入れていかなければいけません」という言葉通り、自身の専門領域でもある消化器センターを設立。さらに同じ昴会の湖東記念病院、法人指定管理者である東近江市立能登川病院と連携し、地域医療と専門医療の両方の役割を3病院で担うようになった。

 「当院の滋賀脊椎センターには県内外から多くの患者さんが来られています。消化器センターでは胃腸炎や急性虫垂炎、がんなど日常的な疾患から緊急の手術や専門的な治療が必要な疾患まで、あらゆる消化器疾患に対応しています」

 また湖東記念病院では、心臓血管センターや脳神経外科センターで脳や心臓の高度な治療を、能登川病院には、常勤の眼科医が5人在籍して眼科の手術を多く手掛けている。

 それぞれの病院がより専門的な領域を担い、お互いに患者さんを紹介したり医師の派遣をしたりするなど、連携を取りながら質の高い医療を提供している。3病院の病床数は合わせて381床。病院単体ではできない多様なニーズに対応することができる。

 「少子高齢化や医療費の増加に伴い、病院の機能分化や集約化が必要と言われています。急性期医療をグループの病院で分担することで地域医療も急性期医療も充実させることができると思います」

 過疎化が進む地域では、こうした病院同士の連携が、効率的かつ質の高い医療提供に必要だと考えている。

医師不足を補うために

 地域医療における課題は医師不足だ。

 「医師の確保が難しい地域なので、大学と連携して人材派遣もお願いしています。まずはしっかりと症例数を重ねて質の高い医療を提供し続けること。そうすれば患者さんだけではなく、それに関わりたいという医師が増えてくるでしょう。若手医師も積極的に受け入れ、人事交流をすることで医師の技術向上にもつなげたいと思っています」

 新たな救急体制構築や専門性の高い医療を提供する病院との連携など、これからも住民に信頼される病院を目指し、地域に貢献していく。

医療法人社団 昴会 日野記念病院
滋賀県蒲生郡日野町上野田200―1 ☎0748-53-1201(代表)
http://www.hino-hp.jp/

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