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カテーテル治療を軸に病院全体の躍進を実現

カテーテル治療を軸に病院全体の躍進を実現

社会医療法人社団木下会  三角 和雄 院長(みすみ・かずお)
1982年東京医科歯科大学医学部卒業、同大第三内科入局。
米ニューヨーク医科大学、カリフォルニア大学、ピッツバーグ大学、
UCLAグッド・サマリタン病院、ハワイ大学臨床助教授などを経て
1998年千葉西総合病院心臓センター長。2004年から現職。


 毎年コンスタントに3000件前後の心カテーテル治療を実施。この治療を核にしながら内科全体、さらに外科領域と病院の評価を高めていった。さらに効率的な運営で自己資本比率は全国でも屈指の73・8%、連動する利益率も10・9%。心カテーテル治療の第一人者でもある三角和雄院長に躍進の理由や思いを聞いた。

―アメリカで10年を超える臨床経験をお持ちです。日米の違いについて教えてください。

 私は日本で3年間、大学病院などで研修した後、アメリカに留学しました。その後、2~3年ごとに病院を変えながら、循環器内科の臨床医として12年研鑽(さん)を積んできました。

 このアメリカでの経験から、ロータブレーターを含めたカテーテル治療で日本の患者さんの役に立ちたいと、1998年、12年ぶりに日本に戻りました。驚いたのは病院や医師の日米の違いです。治療もさることながら、病院や医師の改革も必要でした。

 改革をするには実績を出さなければ発言権を得ることはできない。そのために無駄を徹底的に省き、一から立て直す努力をしました。実はアメリカの病院はよく倒産しますし、看護師のレイオフも頻繁に行われ、自宅待機や失業も当たり前の社会です。ですからアメリカ人は日々の生活でもかなり倹約しますし、それは病院経営も同じで、普段から使う機材なども細かくチェックします。

 医療コストをかけないでスリムな経営をすることが、私自身にも身に付いたと言えます。またアメリカは保険会社が強い権限を持っていますから、そのために病院は医療のコスト削減に力を入れます。


カテーテル治療について。

 「医療は量じゃなくて質だ」という人もいるが、それは真実ではない。質と量は相関します。たくさんの治療をすればいろいろなケースが見られ、さまざまな合併症や問題点も見えてくる。その問題点や合併症に対する対処の方法も経験できます。さらに、治療成績が上がると、患者さんが似たような病気で悩む患者さんを紹介してくれるという相乗効果が生まれます。

 きちんとした治療を実現するのに、最も大切なのは「人」。私はまず、やる気のある研修医を集めることから始めました。研修医を育てるということは、私たちも勉強しなければいけないということです。研修医を受け入れられる環境を整えることが病院のレベルアップにつながります。

 カテーテル治療に関して当院は2016年に部分麻酔下で「経カテーテル大動脈弁留置術」の手術に成功しました。また2018年12月から従来のロータブレーターをモデルチェンジした最新の「ロータリンク・プロ」を使用しています。初診の患者さんは予約なしでも診る。カテーテル治療が必要ならば、その日のうちに実施し、翌日には退院されます。「来てすぐに治療し、すぐに帰ることができる」。それが患者さんにとっても病院の経営にとっても良いのです。


現在の病院の状況を。

 20年前に当院に赴任してきたころ、この病院は400床ほど。今は608床で職員数およそ1400、31診療科をもつ大規模総合病院となりました。

 研修医の数も20人を超えています。国内外から多数の患者が訪れる循環器内科や関連する心臓血管外科だけでなく、消化器内科、消化器外科、脳神経外科、乳腺外科、形成外科、泌尿器科などの診療も充実しています。また小児科、産婦人科、呼吸器内科、神経内科も、地域の方々から、信頼をいただけている実感があります。

 24時間365日診療し、救急は断らない方針で、年間約1万台の救急車を受け入れています。事務職員も含めた全員で、今後も、患者さんのための医療と堅実な経営を続けていきたいと思っています。


社会医療法人社団木下会 千葉西総合病院
千葉県松戸市金ケ作107―1
☎047―384―8111(代表)
http://www.chibanishi-hp.or.jp/

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