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アトピー性皮膚炎治療研究会 第26回シンポジウム 温故知新

アトピー性皮膚炎治療研究会 第26回シンポジウム 温故知新

 アトピー性皮膚炎治療研究会が〝温故知新〟をテーマに第26回シンポジウムを宇都宮市の「ホテルニューイタヤ」で、ウェブ配信と合わせて開催する。会頭を務める獨協医科大学皮膚科学教室の井川健教授に、テーマに込めた思いを聞いた。

注目される新薬が次々登場

会頭 井川 健 氏
主任教授)

 アトピーという言葉は〝奇妙な〟という意味のギリシャ語「アトポス」に由来し、古くは帝政ローマ時代の書物にアトピー性皮膚炎と推測される症状が記述されるなど、予想以上に昔からある疾患です。日本で広く知られるようになったのは1990年代。あるテレビ番組をきっかけに、ステロイド剤に不安を感じる人が増えたため日本皮膚科学会は2000年、アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインを作成しました。以後、ガイドラインは、新しい治療法の導入などに伴い改定され現在、2018年版が最新となっています。

 最新版と同時期、国内では久しぶりに新薬が登場しました。アトピー性皮膚炎に対する初の生物学的製剤「デュピルマブ」です。2020年には非ステロイド系の治療薬である「JAK阻害剤含有軟膏」の使用も認可されるなど、新薬の登場が続いています。これら新薬の開発には、さまざまな研究成果によりアトピー性皮膚炎の病態の解明が進んだことに加え、テクノロジーの発展も寄与しています。

皮膚科の医師が自ら手放す危険性

 新しい時代を迎えた治療の扉を前に、帝政ローマ時代から続く〝湿疹やかゆみとの戦い〟に勝利の兆しを感じるかもしれません。また、薬物を血流に乗せて患部にデリバリーする「全身療法」に魅力を感じる方もいることでしょう。以前からある食物アレルゲン、ダニやハウスダストなどの環境アレルゲンをはじめ、汗、乾燥、服など皮膚に触れる物質の物理的・化学的刺激、ストレスなど、さらなる悪化の原因となる増悪因子や悪化因子の検索と除去という手間のかかる治療には、あえて踏み込まなくなる医師も出現してくるかもしれません。

 このような状況の先にあるものは、アトピー性皮膚炎を診るべき必然性を持つ皮膚科の医師が、専門医としてのポジションを自ら手放すことになる未来の到来です。いま一度立ち止まり状況を冷静に俯瞰(ふかん)する時期だろうと思います。

今後の診療を議論するための「温故知新」

 そこで今回の研究テーマを「温故知新」という言葉に集約しました。東京スカイツリーの制振技術は、日本の歴史的建造物である五重塔の構造に学んだそうです。私たちも諸先輩が築き上げてきた従来の治療法をいま一度確認した上で、今後の診療の方向性を議論していくことが必要だろうと思います。

 シンポジウムでは、日本のアトピー性皮膚炎治療が歩んできた道筋を語っていただき、それをもとに現在進行中の新治療薬開発がもたらす効用や課題などをみんなでディスカッションする、という方向で進めたいと思います。 具体的なプログラムは構築中ですが、恩師であり兵庫医科大学常務理事で免疫と皮膚科学が専門の西岡清先生の特別講演をはじめ、新たな発見や治療などの歴史的変遷を俯瞰する企画などを予定しています。また、ベテランの先生方と、若い医師が活発に質疑応答するセッションも計画中です。

 コロナ禍での実施となり、ハイブリッド開催、ウェブ配信を行います。多くの先生、関係者のご参加をお待ちしています。

シンポジウムの主なプログラム(予定)

●特別講演「(仮題)」2月6日(土) 午後5時~同6時 西岡 清(兵庫医科大学)
●学会企画「これまでの治療を振り返る」2月7日(日) 午前9時〜同10時 ※敬称略

会期:2021年2月6日(土)〜2月7日(日) 会場:ホテルニューイタヤ
運営事務局:春恒社コンベンション事業部 メール:atopy26@c.shunkosha.com
学会HP:http://atopy26.jp/

※情報は11月末現在のものです。開催について最新の情報は学会HPでご確認ください。

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