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より連携を強め地域医療全体のレベルアップを目指す

より連携を強め地域医療全体のレベルアップを目指す

社会医療法人 石川記念会 HITO病院
相引 眞幸 病院長・救急科部長(あいびき・まゆき)

1978年金沢医科大学医学部卒業。
同麻酔科、香川医科大学(現:香川大学医学部)・救急医学講座、
愛媛大学医学部救急侵襲制御医学分野(現:救急医学分野)教授などを経て、
2019年から現職。

 愛媛県四国中央市にある社会医療法人石川記念会HITO病院。地域の中核病院として救急医療、4疾病対策、臨床研修を担う同病院は今春、愛媛大学医学部から相引眞幸名誉教授を病院長に迎えた。大学教授から民間病院へ。相引新病院長に、就任の抱負を聞いた。

大学教授から民間病院の病院長へ

 愛媛県や香川県の大学病院で救急医療の最前線に立ち、臨床・研究・教育に力を注いできた。特に集中治療、手術、救急を担う香川大学の麻酔・救急医学講座(当時)では数多くの論文も発表。頭部外傷や心停止後症候群への低体温療法の分野で豊富な実績を築いた。

 「地元の人のために先生の知識や経験を役立ててほしい」というHITO病院の石川賀代理事長の熱意に応え、病院長に就いた。

 大学病院と民間病院とでは、経営も理念もまったく異なる。就任後、さまざまな課題があることを、改めて実感しているという。現状やシステムを早く理解したいと、就任から2カ月、自ら現場に入り、次々に運び込まれる患者の診療に当たっている。

 「救急患者をすべて受け入れたい。これを実現するためには、まず現場を見て問題点を見いだすべき。トップダウンで考え方を示しながら、現場からのボトムアッ
プで改善を進めていきたいと思っています」

医師として目指すべきもの

 四国中央市土居町の出身だ。実家の医院は兄が継ぎ、97歳で亡くなった父親も晩年まで元気に診療を続けていた。

 医者になることは念頭になかったそうだが、結局医者になり、研究者の道を断念した父親の夢を受け継ぎ、多くの研究成果を残した。「宇摩医師会の特別講演で呼ばれた時には、うれしそうにしていましたね」

 当初は義兄からの助言もあり、麻酔科へ進んだ。「全身管理という面ではとても勉強になりました。20年ほど前に、集中治療や救急の専従になりました」

 その中で感じたのが、救急医療において、院内外とのコミュニケーションが重要であること。

 「これは病院経営も同じです。一つの病院でできることは限られています。そのためにも、医師、看護師、メディカルスタッフや事務、そして救急救命士なども含めて、お互いに意見を出し合い、他者からの厳しい言葉にも耳を傾けていくことが大切です」

地域連携の充実を図りたい

 1日の救急患者数は、平均14人。患者はすべて受け入れ、治療し、各地域の医療機関に戻すことを理想としている。

 しかし、愛媛県東部の宇摩医療圏には、それを受け入れる医療機関の数が足りていない。周辺にはHITO病院のグループであるクリニックや介護・福祉施設などもあるが、地域全体の連携システムはさらに整えていく必要があると感じている。

 「顔が見えるコミュニケーションで信頼関係をつくり、意識を共有。勉強会などでレベルアップを図っていく。地域と共に成長していく必要があります」

 その中で、HITO病院に以前からある「絆カード」に注目している。

 「当院が逆紹介した患者さんに渡すカードです。ただ紹介して終わりではなく、このカードを持つ患者さんはいつでも受け入れる意志を示したもの。この仕組みのことを知ったとき、とても新鮮でした」

 地域の診療所に対してのバックアップ体制が整えば、地域全体の医療のクオリティーの向上にもつながっていく。

 「急性期病院としての存在価値を高めるためには、救急隊や行政を含めた多様な連携が不可欠です。私がこの病院に呼んでいただいた理由は、そこにあると思っています」

社会医療法人 石川記念会 HITO病院
愛媛県四国中央市上分町788-1 ☎0896-58-2222(代表)
http://hitomedical.co-site.jp/

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