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より良い血液透析で患者さんに元気な毎日を

より良い血液透析で患者さんに元気な毎日を

医療法人 心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科
池田 潔 理事長・院長(いけだ・きよし)

1988年大分大学医学部卒業。2003年九州大学大学院医学研究院病態機能内科学入局。
福岡赤十字病院腎センター第六内科部長を経て、
2010年池田バスキュラーアクセス・透析・内科クリニック開院。2015年から現職。

 現在全国で約33万人いるとされ毎年増加を続ける透析患者。池田潔理事長・院長はバスキュラーアクセス(シャント)作製と透析導入を外来手術で行うことに加え、在宅血液透析にも力を入れる。取り組みと今後の展望を聞いた。

―特徴と強みは。

 福岡赤十字病院で透析のアクセス手術と、糖尿病性腎症や糸球体腎炎などの慢性腎不全の外来治療を行ってきました。

 その強みを生かし、腎炎から腎不全に至る患者さんを広く受け入れながら、提示する腎代替療法の選択肢の一つとして外来手術でシャント作製から維持血液透析導入までを担う施設として開院しました。8月に丸9年を迎え、これまでに、約50人の患者さんを外来にて新規にシャント作製を行い、外来で透析導入しました。その他年間にアクセス作製100件、トラブル500件を受け入れています。

 透析台は、有料個室を含め49床あり、午後6時からの夜間透析も含め週3回、5時間を基本として患者さんの状態に合わせて調整しています。エコー下穿刺も推進し、再穿刺率の低下とともに患者さんの負担軽減に大きな成果をあげています。

 透析患者さんのアクセストラブルの緊急外来治療も月に70件ほどあるため、私を含め4人のドクターが随時透析室とアクセストラブルを分担して対応しています。ほかにも当院には、臨床工学技士や臨床検査技師、メディカルクラークに管理栄養士、訪問看護と、総勢約60人のスタッフが在籍。足病に関してはフットケア指導士の資格を持った看護師が中心となり、皮膚灌流圧測定装置を用いて重点的に観察するなど各人がスキルを発揮しています。

―在宅血液透析を推進。

 2015年に在宅血液透析を開始しました。総透析患者125人のうち12人が在宅患者。最も遠方は鹿児島在住です。年齢は31歳の患者さんが最年少になります。半数の方が、長期留置カテーテルを挿入しているため、自己穿刺が不要なことで、心負荷の軽減に寄与しています。

 在宅透析の利点は365日透析ができること。健康な人と同等の基準として、透析量100以上を勧めています。毎日3時間透析を行っている患者さんは血色がよく、血圧の薬や造血剤もいらない。食事管理もほぼ必要ありません。

 普及が進まない理由としてトレーニングや管理の負担への懸念があるかと思います。当院では有料個室を在宅透析のトレーニングに活用し、平均で週3回2〜3カ月にわたり訓練、最後に筆記と実技の試験、臨床工学技士の許可を経て、在宅透析を開始します。

 透析中もトラブルはほとんど発生しませんが、透析機械にウェブカメラをつけた独自のシステムを開発し、何かあれば臨床工学技士が専用電話で24時間対応。カメラで状況を共有しながら、適切なアドバイスができる体制をとっています。

 難点があるとすれば電気代と水道代で月2〜3万、配管工事で20万ほどの初期費用負担があること。また現制度では一人で在宅血液透析ができず、付き添いの方もトレーニングが必要です。それを差し引いても、限りなく健康に近づけるメリットは大きく、今後さらに推進したいと考えています。

―今後の展望を。

 これまで心拍出量測定装置や体組成分析装置など、最新の設備機材を積極的に導入し、より良い透析医療の提供を目指してきました。今後AIによる医療変化の加速も予測されますので、常に変化を捉えながら、新時代のシステム構築に挑戦する意気込みです。

 バスキュラーアクセスを標榜しているように、最善のバスキュラーアクセスと透析量、透析手法の効果的な組み合わせで患者さんの「長生きしたい」を支えたい。それぞれに最適な透析を提供するため、尽力していきます。

医療法人 心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科
福岡市中央区白金1―20―3 紙与薬院ビル1階・2階
☎092―526―4810(代表)
http://www.fukuoka-vaccess.jp/

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