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すべての子どもに最善の医療を

すべての子どもに最善の医療を


教授(なんば・のりゆき)

1992年岡山大学医学部卒業。大阪大学大学院医学系研究科小児科学講師、
JCHO大阪病院小児科診療部長などを経て、2019年から現職。

 戦後間もなくから地域の小児医療を守り続けてきた鳥取大学医学部周産期・小児医学分野。2019年に教授として就任した難波範行氏は、明確なスローガンを掲げて医局運営を指揮し、同時に大学病院内におけるワークライフバランスの推進にも力を入れている。

―医局の特徴は。

 1946年に開講し、県内および山陰地方の小児医療を支えてきました。もちろん現在もその役割は変わらず、「すべての子どもに最善の医療を」という目標のもと、地域内で小児医療を完結させるために日々精進しています。

 診療面では、多様な小児疾患に対応できるよう、六つの専門グループを設置。また、当大学病院の救命救急センター、脳神経小児科、総合周産期母子医療センターとも連携・協力しながら、全方位的に小児医療をカバーしています。

 研究面では、「成長を科学する」というスローガンを掲げ、先代教授の神崎晋先生がご尽力された小児内分泌疾患を中心としながら、現在は骨代謝の研究も進めています。成長ホルモンが骨の成長に及ぼす影響、詳細なメカニズムを調べており、将来的には新しい治療法につながることを期待しています。

―後進の育成について。

 医局員に対しては「井の中の蛙(かわず)」にならないようアドバイスしています。すべてにおいて自己完結するのではなく、必ず世間の評価を受けること。論文や学会などを通して、多くの人から批判や助言を受け、常に自分の立ち位置を確認することが重要だと考えています。

 加えて、全員がハッピーでなければいけません。ハッピーの定義は人それぞれですが、まずは「この医局で過ごせて良かった」「生きがいを見つけた」と思ってもらえることを目指しています。当医局でしっかり学べば、小児科医として確固たるベースを築けますので、そこに幸せを感じてほしいですね。

 そして、最終的にはプロフェッショナリズムを備えた小児科医になってほしい。卓越性、人間性、利他主義などを持ち合わせることで、患者さんとご家族の気持ちや状況をくんで、杓子(しゃくし)定規ではなく臨機応変な医療を提供できる医師に育ってほしいと願っています。

 鳥取県は横に長く、東部、中部の各地域に小児医療の中核病院があります。それらの病院とは常に情報を共有しており、西部にある当医局は、それら二つの病院で十分に対応できない重症の患者さんなどを受け入れています。その他の病院や診療所ともネットワークは構築されていますが、今後はさらに連携を密にしたいと考えています。

 また、地域医療における当医局の役割として、優秀な小児科医を定期的に輩出することも望まれています。地域の小児医療を充実させることはもちろん、医局内の人員を確保して、県内の小児科医療の維持のためにも、やはり人材育成は大切な要素だと思います。

―「ワークライフバランス支援センター」について。

 2010年、ワークライフバランスを大学病院内で推進するために設置され、2020年4月からは私がセンター長を務めています。

 開設当初は、育児からの職場復帰をサポートすることをメインとして、夜間保育や学童保育などの施設を整備し、働きやすい環境を整えることを目的としてきました。現在は、育児・介護・キャリアアップに対するサポートに加えて、メンタルヘルスサポートにも力を入れています。

 職員それぞれが一生を見据え、良質なワークライフバランスを見つけることは、働き方改革を推進する上でも大切です。どのライフステージでも誇りを持って、ハッピーに働けるよう、今後はこれまでの取り組みを、さらに加速させたいと思っています。

鳥取大学医学部 周産期・小児医学分野
鳥取県米子市西町36―1
☎0859―33―1111(代表)
http://pedperin.med.tottori-u.ac.jp/

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