九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

これまでの成果が次の100年につながれば

これまでの成果が次の100年につながれば

 寳金  清博 病院長(ほうきん・きよひろ)
1979年北海道大学医学部卒業。札幌医科大学脳神経外科教授、同附属病院副院長(医療安全担当)、
北海道大学大学院医学研究科脳神経外科学分野教授などを経て、2013年から現職。

 豊富な観光資源に引きつけられ、北海道を訪れる外国人の数は増加傾向にある。「グローバル化」をはじめ、これからの医療に求められるものとは何か。2013年から病院長を務め、この3月に退任の寳金清博氏に、北海道の医療の現状や北海道大学の役割について「いま感じていること」を語ってもらった。

―改めて北海道大学の強みを教えてください。

 本学が力を入れていることの一つは研究分野です。主に難病や、入院患者さんのおよそ4割を占める悪性腫瘍を対象にした臨床研究を推進しています。

 例えば2014年には「先進的な医療の開発、普及によって地域医療に貢献する」という方針のもと、「陽子線治療センター」を開設しました。積極的に治療、臨床研究に取り組んでいます。

 また、近年は「グローバル化」への対応の面でもさまざまな仕組みを構築しています。

 観光資源に恵まれた北海道には、毎年、国内外から数多くの観光客が訪れます。2018年度、訪日外国人が上期(4月~9月)としては初めて130万人を突破するなど、大きな伸びを示しています。

 こうした現状において道内の医療機関では、訪日外国人を受け入れるための医療体制の整備が求められているのです。

 外国人の患者さんを診療するためには、まず言語によるコミュニケーションが不可欠です。加えてライフスタイルや宗教、死生観なども考慮して診療しなければなりません。国境を越えるわけですから、感染症や薬剤耐性菌の対策にも注意が必要です。

 どんな方でも安心して医療を受けられる土壌をつくる。それをけん引するリーダーシップが、北海道大学にはさらに求められるのではないかと思います。

―国際化に向けてどのような取り組みを。

 訪日外国人のおよそ9割を占めるのが、中国をはじめとするアジア圏の人々です。円滑なコミュニケーションを図るために、当院では中国人の医療通訳者を正規雇用の職員として配置しています。

 「インバウンド・アウトバウンド・交流」による国際化の促進を目的に、2014年、「国際医療部」を設置しました。現在、4大学、11医療機関と国際交流協定を締結しています。

 インドの民間病院「サクラ・ワールド・ホスピタル」には当院から医師を派遣し、現地で「日本式」の診療を展開しています。

 また、台湾にある「輔仁大学外国語文学院」との協働で医療通訳者を養成するためのOJTを当院で実施するなど、国際的な医療人の育成にも精力的に携わっています。

 私は国立大学附属病院長会議において、国際化部門を担当してきました。

 「10年後にあるべき医療」のかたちを実現するために「外国人に対する医療サービスを充実・強化し、質の高い日本の医療を提供する」「海外からの医療人の受け入れを推進し、教育・診療・研究を通じて、相互の医療レベルの向上を図る」など、五つの項目を提言しました。

 北海道のような観光地や、外国人が多く就労している地域では、医療機関の国際化を一層、推し進めていく必要があります。地域の特性や課題はそれぞれにあると思います。地域で足並みをそろえて取り組むことが重要でしょう。

―これまでを振り返っていかがですか。

 三つのミッションとして掲げた「臨床研究中核病院」承認、「」指定、「」の受審と認証を果たすことができました。

 北海道大学医学部は2019年に創立100周年を迎え、病院の再整備計画なども控えています。次の100年に、これまでの取り組みがつながることを願っています。


北海道大学病院
札幌市北区北14条西5丁目
☎011─716─1161(代表)
http://www.huhp.hokudai.ac.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる