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ここで完結できる医療 その思いを推進力に

ここで完結できる医療 その思いを推進力に

市立三次中央病院 永澤 昌 病院長(ながさわ・あきら)
1983年広島大学医学部卒業。JA尾道総合病院、
カナダ・トロント大学耳鼻咽喉科などを経て、1994年市立三次中央病院勤務、2019年から現職。

 4月、病院長に就任した永澤昌氏。組織のトップとしてこれからの方向性を示していくとともに、耳鼻咽喉科医長として患者の声に耳を傾けている。地域医療を取り巻くさまざまな課題とどのように向き合っていくのか。これからのイメージを語ってもらった。

地域完結型を目指し医療の質を高めてきた

 中耳炎や副鼻腔炎、突発性難聴、頭頸部がん、甲状腺腫瘍─。広島大学、カナダへの留学などを経て、1994年から市立三次中央病院で勤務。同院の耳鼻咽喉科がカバーする疾患の領域を少しずつ広げてきた。

 新院長の永澤昌氏は、地域の状況について次のように説明する。

 「治療を受けるために遠方の都市部まで通わなければならなかった多くの患者さんたちがいました。この地域の中で、できるだけ医療を完結できる体制をつくりたい。その目標のもと病院が一丸となって推進しているところです」

 25年ほど前、市立三次中央病院に勤務する医師数はすべての診療科を合わせておよそ40人だった。現在は倍近くの70人超の体制となり、増員にともなって医療の質も上がった。

 2003年に診療技術部長に就任した永澤氏は病院の経営面にも関わるようになった。2008年、副院長に就任。医療安全、改善活動などを推進する立場となり、ガバナンス構築の方法論を学んできた。

新病院の建設計画が2020年に始動予定

 近い将来の飛躍に向かって重要なプロジェクトが進行している。新病院の建設計画だ。「2020年をめどに病棟の建て替えに着手する予定です。そこから4~5年の間には完成にこぎ着けたいですね。患者さんのニーズをしっかりと踏まえて、アメニティーなども時代に合ったものに整備したいと思っています」

 ハード面を一新することの効果として、例えば電子カルテなどのメリットもさらに引き出すことができると考えている。

 患者の期待にもっと応えられる病院へと進化していくことで、ここで働くことに魅力を感じる医師たちも増える。それが地域医療への貢献につながっていく。そんないい循環を生み出すことをイメージしているという。「常に向上心を抱くことが、病院の経営では大事なこと」。そんな思いを計画に込める。

もっと開かれた病院 さらに頼られる存在へ

 永澤氏はあらためて強調する。「当院が果たすべき役割は明確です。地域のために、がん医療をはじめとする質の高い医療体制を整えることです」

 成し遂げるための準備は着々と進めてきた。最新の医療機器をそろえ、人材の充実も継続して図っている。また、地域がん診療連携拠点病院として緩和ケアの領域にも力を注ぐ。

 近年の地域連携の大きな動きは2017年、前病院長の中西敏夫氏が中心となって実現した地域医療連携推進法人「備北メディカルネットワーク」の創設だ。地域医療の関係者が目線を合わせて人材の育成や医師の確保に取り組み、医療者の相互派遣、医療機器の共同購入なども進む。

 そして、市民に開かれた病院、頼られる病院としての地盤を固めることも重要なテーマとして掲げる。高校生を対象とした医療セミナーや集団災害訓練などはその一環だ。

 また、「平成30年7月豪雨」を通して得た教訓からインフラの整備やBCP(事業継続計画)マニュアルの作成も進めている。「三次市だけでなく、広島県と島根県も見据えた、広域性を考慮したものとして作り上げたい。市民のみなさんが、この病院をより信頼し、親しんでくださる。そんな活動にも積極的に取り組んでいきたいですね」

市立三次中央病院
広島県三次市東酒屋町10531 ☎0824―65―0101(代表)
https://www.miyoshi-central-hospital.jp/

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