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がん治療と急性期医療を柱にまい進したい

がん治療と急性期医療を柱にまい進したい


院長 (よしの・きみひろ)

1977年岡山大学医学部卒業。米ニューヨーク大学留学、
香川県立中央病院、住友別子病院、香川労災病院脳神経外科部長、副院長などを経て、2017年から現職。

 地域医療構想により、香川県では中讃、西讃地域が西部構想区域として一つになり、さらなる専門性の追求、機能分化が必要不可欠となった。就任当初から変わらず、「がん治療と急性期医療」を柱に掲げる吉野公博院長に、現状と今後の取り組みについて聞いた。

―スーパーICUの稼働状況は。

 急性期医療やがん治療を担う病院として、手術室や医療機器、ICUなどインフラの整備に多くの費用を投入してきました。地域医療構想で、医療圏が変わり、西部構想区域という形になりました。中讃から西讃までエリアが広がりましたが、当院の果たすべき役割は変わらないと思っています。

 2018年、ICUの改修を行い、「スーパーICU(特定集中治療室)」となりました。施設的な規模だけではなく、臨床工学技士(CE)が少なくとも1人は、ICUに常駐という要件があります。人員と設備の基準をクリアし、現在は8床が稼働しています。

 また、2019年の6月に手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しました。当院は香川県地域がん診療連携拠点病院ですが、五つある拠点病院等の中で、ダビンチを導入してないのは当院のみでした。通常は500床、600床の病院が持つ機器で、404床の当院に導入するのはどうかという意見もありました。しかし、手術の件数も多く、思い切って導入を決めました。 泌尿器科が主体となり、ダビンチで手術を行っています。今後は外科でも腹部の手術に活用していきたいと考えています。

―今後の方向性は。

 診療報酬の改定や地域医療構想などで目まぐるしく、5年先、もっと言えば1年先の状況も明確に分からない時代です。しかし、だからこそ、小手先の改革に走るのではなく、これまで通り、「がん治療と急性期医療」を柱に進んでいこうと思います。

 回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟をつくることは考えていません。私たちがその役割を担わなくても、回復期以降の患者さんを受け入れてくださる病院が地域にあり、以前から連携を組んで治療を進めてきました。回復期リハ病棟のある病院、リハビリを強みとされている病院などと、連携を確立しています。
  
 もちろん課題はあります。地域医療構想でエリアが広がったとはいえ、私たちがカバーしている人口は20万〜25万くらいでしょう。団塊の世代が85歳を超える時期には、もっと人口が減ります。今後どのように再編されるのか、医療業界全体の先行きは不透明ですが、インフラも人員も備えている以上、当初掲げた方針を貫きたいと思っています。

―治療就労両立支援部とは。

 労災事故が少なくなってきている今、どのようなサポートができるのか。その発想から生まれたのが「治療就労両立支援」です。当院では患者サポートセンターの中に両立支援部門を設置。特にがん患者さんが、治療と平行して仕事を継続できるように支援しています。医師や看護師、ケースワーカーなどが入り、会社の方にご理解いただきながら、就労を継続する方法を模索していきます。労働人口が減ってきている中、社会的にも意義のあるサポートだと思います。

 2019年2月にはハローワークとの連携も始めました。働く意志はあるけれど、どうしても今の職種では仕事を続けられないという方がいらっしゃいます。そういう場合に、ハローワークと連携することで、「こんな仕事がありますよ」と求人情報を出してもらえるようになりました。この治療就労両立支援については、当院で治療を受けていない患者さんからの相談にも対応しています。今後も労災病院としての存続をかけて患者さんの就労支援に取り組んでいきたいと思います。

独立行政法人労働者健康安全機構 香川労災病院
香川県丸亀市城東町3―3―1
☎0877─23─3111(代表)
https://www.kagawah.johas.go.jp/

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