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がん医療をさらに推進

がん医療をさらに推進


病院長(しまだ・かずあき)

1982年京都府立医科大学医学部卒業。
東京警察病院、東京都立府中病院(現:多摩総合医療センター)、
国立がん研究センター中央病院肝胆膵外科科長、同副院長などを経て、2020年から現職。

肝胆膵外科で30年

 この度、2020年4月1日から新病院長に就任いたしました。今日、がんは国民の2人に1人が罹患(りかん)する克服困難で厄介な病です。すべての臓器がんにおいて 、診療の質が高く、ハイボリュームな 医療提供体制を提供していくために一層の努力をしてまいります。

 新型コロナウイルス感染が完全に収束できないとしても、がん診療を犠牲にするわけにはいきません。新型コロナに対して、万全の対策を講じ、がん診療は通常体制に復帰しています。皆さま方のあたたかいご支援とご助言を、心よりお願い申し上げます。

 私は1990年5月、国立がん研究センター中央病院の肝胆膵外科医として着任しました。当科は、日本の肝臓外科を確立した世界的にも著名な幕内雅敏先生をはじめ、多くの素晴らしい先生方を輩出した診療科です。

 このような歴史ある診療科に入職し、30年もの間、肝胆膵外科で診療してきました。高難度肝胆膵外科手術である膵切除・肝切除を1000例以上執刀し、肝胆膵外科の診療をリードしてきました。 肝胆膵悪性腫瘍の診療では、国内有数の症例数を誇り、2019年手術総件数は年間400件以上に増加、膵頭十二指腸切除は100件の大台を超えました。遠方から多くの患者さんが当院の肝胆膵外科を受診し、信頼をいただいています。

 現在は、肝臓がんの切除数は減少し、胆道がんに対する複雑で高度な手術や、膵がんの手術件数が著明に増加してきました。研究に関しては、共著を含む200編以上の英文論文を執筆し、公的研究資金による研究代表者を務め、本邦有数の肝胆膵外科医が参加する臨床研究を主導してきました。今後は、若手医師による新規医療技術・低侵襲性医療技術開発に協力できればと考えております。

 当科は海外からの研修医師を多く受け入れ、国際交流も盛んです。2019年には中国のがん診療発祥地である天津医科大学の客員教授に任命されました。

医療の安全のために

 管理職の業務としては、2014年より診療担当副院長となり、低迷していた中央病院の診療実績を上げ、経営改善に取り組み、黒字化に貢献してきました。

 2016年からは、診療・安全の管理業務をサポートし、2019年、「特定機能病院一般病院ver.3.0」の審査では、病院機能評価受審準備委員会委員長を務めました。その中で、特定機能病院のあるべき姿を理解し、患者安全を第一に考える姿勢のもと、医療安全体制の整備に注力。承認に貢献しました。

高度で質の高い医療を

 当院では独立法人化後も引き続き、世界基準のがん医療を提供し、わが国のハブとして、がん医療をけん引するだけでなく、がん医療の開発に携わってきました。これからの課題として、患者さんの満足度が高い外来診療体制の充実、患者さんの相談支援業務の強化、低侵襲治療の充実のため、早期がん病変に対する内視鏡・IVR治療、高精度放射線治療、腹腔鏡下およびロボット支援による低侵襲手術に重点的に取り組んでいきます。

 2015年には、医療法に基づく臨床研究中核病院」として承認、2018年は「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定されました。臨床試験の推進、研究所との強力な連携の下、全ゲノム解析やTR(トランスレーショナル・リサーチ)研究を推進(インフォマティクス、人材育成の強化)、「Unmet medical needs」の多い希少がん・難治がんに関する研究開発が重要な使命です。

 一人でも多くの患者さんに高度で質の高い最適ながん医療を提供するために、医療安全の強化、患者さんや社会との共同、適切な勤務体制、「働き方改革」を推進し、職員一同、全力で取り組んでいきます。

国立がん研究センター 中央病院
東京都中央区築地5-1-1 ☎️03-3542-2511(代表)
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/

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