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がんゲノム医療拠点病院 指定を励みに質を高める

がんゲノム医療拠点病院 指定を励みに質を高める

独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター
院長(たにみず・まさひと)

1982年岡山大学医学部卒業。
岡山済生会総合病院内科、四国がんセンター統括診療部長、同副院長などを経て、
2017年から現職。

 四国唯一のがん専門病院である四国がんセンター。2019年9月、国内34の医療機関が指定された「がんゲノム医療拠点病院」の一つに選ばれた。センターに求められる新たな役割とは。

―がんゲノム医療拠点病院の指定を受けられました。

 がん医療の充実を目的として2018年、第3期がん対策推進基本計画が進められています。中でもがんゲノム医療の推進は課題の一つでしょう。

 これを進めていく医療機関として全国に11の「がんゲノム医療中核拠点病院」と156の「がんゲノム医療連携病院」が指定されています。2019年9月には中核拠点病院を補完する役割を担うべく、新たに「がんゲノム医療拠点病院」として34の医療機関が指定を受けました。

 四国では香川大学医学部附属病院と当センターの2施設です。「これからも頑張ってください」というエールを送られたように感じ大変うれしく受け止めています。同時に責任の重さも感じています。

 今回指定を受けた背景には、当センターがゲノム医療に関わる臨床試験や治験などの新規治療薬の開発導入に、積極的に関わってきたことが挙げられると考えています。

 また、がんの中には遺伝要因を持った体質が発症に影響しているものもあり、それを遺伝性(家族性)腫瘍と言います。がんの5%程度と考えられています。

 当センターはこの遺伝性腫瘍について20年以上、調査研究を続けています。また、患者さんやその家族をサポートする、という活動も評価につながったものと考えています。

 ゲノム医療を進めるに当たっては、新たな人材の育成や確保も課題です。「認定遺伝カウンセラー」という職種もその一つです。当センターにはカウンセラーが現在2人在籍。検診はどのような頻度で受けるのか、予防にはどのような方法があるのかなど、遺伝医療を必要とする患者さんや家族への情報提供、そして心理、社会的サポートなどを実施しています。

 現在、国内には250人を超える認定遺伝カウンセラーがいます。当センターは、カウンセラーのがんに特化した研修を行っています。

 現状、がんに対するゲノム医療は標準治療後に導入される体制になっています。しかし、将来的にはまずゲノム検査、治療という時代が来るということを見据えなければなりません。

―がん医療で果たすべき役割が広がっていますね。

 診療、研究、教育とともに情報発信という役割もあります。

 がんのさまざまな情報を発信する「がんサポートサイトえひめ」は、愛媛県がん診療連携協議会や患者会、そして県内のがん診療連携拠点病院などと協力しながら制作を進めてきました。このサイトでは、がんについての解説、がん治療を実施する地域の病院の紹介を行っています。

 2019年、当センターは「がん専門病院からのメッセージ〜がんと闘い、共に生きる人を支えたい〜」を刊行しました。人は、自身や家族が病気にならなければ、なかなか興味を持ちません。残念ながら、がんもそうでしょう。しかし、がんになった時、きめ細かな情報が手元にあれば安心ではないでしょうか。

 当センターから医療の質について、わかりやすく伝えたいと考えたのも理由の一つ。がん医療の質とは―。そんな情報も盛り込みました。10人程度の広報委員会をつくり、約1年という長い時間をかけて制作。その結束力には驚かされました。オリジナルのキャラクターが登場する漫画を挿入するなど、読みやすさにも工夫しました。

 がん患者さんの目線に立つ―。そのような思いを大切にしました。問い合わせも多く、手応えを感じています。

独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター
松山市南梅本町甲160
☎089―999―1111(代表)
https://shikoku-cc.hosp.go.jp/hospital/

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