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がんケアリング施設が1周年 緩和ケア病棟もオープンへ

がんケアリング施設が1周年 緩和ケア病棟もオープンへ

  院長(かわむら・たけし)
1973年東京慈恵会医科大学卒業。国家公務員共済組合連合会虎の門病院外科を経て、
1983年川村外科医院(現:川村病院)入職、2016年から現職。


 消化器がんを中心とした急性期病院。小規模ながら数多くの診断・治療・手術を手掛け、診断から治療、看取(みと)りまでを担う地域密着型病院として発展してきた。2018年、隣接地にイギリス発祥のマギーズがんケアリングセンターの国内第2号となる認定施設が開設され、緩和ケア病棟のオープンも控える。

―「機能強化型在宅療養支援病院」です。

 当院と四つの診療所が連携し、在宅療養を支援しています。訪問診療や往診に当たる常勤医は全体で10人。直近1年間に診療した患者さんは1252人で、亡くなった266人のうち、自宅で最期を迎えた方は113人でした。

 本人や家族の希望があり、在宅治療できる環境であるなら、やはり入院より満足度は高いようです。先生方は、大変熱心。アクティブに治療せずとも末期なり老衰なりの対処に長けていますし、カンファレンスで情報を共有しつつ緊急往診にすぐ対応する体制も確立しています。今後も患者さんの要望にできるだけ応えていければと思っています。


「診断から治療、看取りまで」を掲げ、緩和ケア病棟を開設予定です。

  がんになっても助かる時代ですが、亡くなる方が多いのも事実。当院はがん手術だけでも5000件以上行っており、多くの方を見送ってきました。

 満足のいく最期のため、より注力したいのが緩和ケアです。現在は急性期60床ですが昨年16床の増床が認可され、全76床のうち20床を緩和ケア病棟とすることにしました。光が差し込む平屋建て。来年6月の開設予定で工事が進んでいます。

 現在、県内で緩和ケア病棟を持つのは、静岡がんセンターをはじめ3病院のみ。富士医療圏としては、ここが初となります。緩和ケア病棟の導入で、主治医が最後まで診て看取りまで行うというシームレスな医療の実現により近づきました。担う役割は大きいと思います。

 隣接して、新医療棟も建設中です。旧館から22床を移設し、1階の内視鏡室は1列増設して4列とします。これで内視鏡検査・治療は年間1万件ほどになると見込んでいます。


―がん患者に寄り添う施設が注目を集めています。

 昨年3月にオープンした「幸ハウス富士」です。NPO法人幸ハウスが、当院の職員宿舎があった場所に新築、運営しています。

 がん患者さんやご家族、友人が集える場で、予約や利用料は不要。お茶やヨガといったプログラムに参加してもいいし、ただ本を読む、音楽を聴くだけでもいい。話をしたければ、傾聴トレーニングを受けたスタッフがゆっくり聞きます。

 このモデルはイギリス発祥のマギーズがんケアリングセンター。「マギーズ東京」は認定施設第1号で、ここは第2号。NPO法人の代表がイギリスへプレゼンテーションに行ったところ好評で、認定に至りました。建物の設計は、このコンセプトに造詣が深いということで紹介されたデザイナー、太刀川英輔さんに依頼。自然素材を用い、開放的な造りになっています。

 オープンは週1日ですが、訪れた方は10カ月で延べ452人。うち患者さんが約300人で、当院の患者さん以外の方も200人ほどいらっしゃいました。早期がんなら治療して終わりですが、進行がんで再発した人、手術できない状態で見つかる人もいます。でも病院ではなかなか患者さんの心の内まで聞く余裕がありません。そこで必要とされるのが、このような中間施設です。幅広い分野の専門家が協力して支援する拠点にできればと思っています。

 ほっと一息つくことで、前向きな気持ちが生まれることがあります。これからも、「最期まで自分らしくいたい」と願う患者さんを支えていきたいですね。


医療法人社団秀峰会 川村病院
静岡県富士市中島327
☎0545―61―4050(代表)
https://www.kawamura-jp.jp/

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