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今秋 2学会発展統合「アジア腫瘍学会」設立

今秋 2学会発展統合「アジア腫瘍学会」設立

 アジア地域のがんに関する臨床や研究などを総合的に進める狙いで、「アジア腫瘍学会(Asia Oncology Soc iety=AOS)」が、2019年10月に設立される。

アジア独自のガイドライン策定を

 これまで別団体として活動してきた「アジア臨床腫瘍学会(Asia Clinical Oncology Society=ACOS)」と「アジア太平洋癌学会(Asia Pacific Cancer Conference=APCC)」を発展的に解散・統合し、新たな学会を立ち上げる計画。

 現段階で、日本、中国、韓国など13の国・地域が参加予定。がんの診療に関するアジア地域独自のガイドラインの策定なども目指す方針だ。

世界で増加するがん患者 アジアが5割

 「世界保健機関(WHO)」の外部研究機関「国際がん研究機関(IARC)」が185カ国のデータをもとにまとめた発表によると、2018年に新たにがんにり患した人は推計1810万人。前回2012年の1410万人を上回る。亡くなる人も、推計820万人から同960万人へと増加している。

 地域別の数では、人口が集中していることもあってアジアが最も多く、新規がんり患者の48・4%、死者の57・3%を占めた。高齢化の影響などで、アジアのがん患者は増加傾向。がん対策はアジア各国で重要な課題となっている。

連携が可能にするアジアに合う治療の開発

 A0Sの設立を中心になって進めてきた吉田和弘・岐阜大学腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野教授は「胃がん、食道がん、子宮頸がんは東アジアに多い。肺がんにおいては、薬剤の効果にアジア地域特有の傾向があることも明らかになってきている。日本、中国、韓国を中心にアジアの国々が連携することで症例数が増え、アジア独自の標準治療や薬剤の開発、臨床研究につながる」と語っている。

初回学術集会は来年3月、フィリピンで

 AOSは各国・地域の主要な学会が支持する見込みで、日本国内では日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会などが後押し。結成式は、10月24日(木)から3日間にわたって開かれる「第57回日本癌治療学会学術集会」(福岡市)の中で開催される。結成式には米国臨床腫瘍学会(ASCO)や欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の代表者らも来賓として参加予定。AOSの第1回学術集会は2020年3月、フィリピンのマニラで開かれる計画だ。

5年生存率66・1% 3年生存率72・1% 国立がん研究センター公表

 国立がん研究センターは8月8日、2009年~2010年にがんと診断された人の5年相対生存率を公表した。「全がん」で66・1%。前回(2018年公表)よりも0・3ポイント上昇したものの、膵臓で9・6%など厳しい数字も依然としてある。

 5年相対生存率が最も高かったのは、前立腺の98・6%。子宮体部(子宮内膜)の97・9%、女性乳房の92・5%と続いた。肝臓(40・0%)と肺(40・6%)は、膵臓の次に5年相対生存率が低かったものの、2006年~2008年の全国がん罹患モニタリング集計と比較すると大きく数字を伸ばしている。

 診断時の年齢は、男女とも70代が最も多く、次いで60代。集計対象は277施設、56万8005人。うち死亡が23万2161人、打ち切りが1万5087人で、生存状況把握割合は、97・3%だった。

 2012年に診断を受けた33万9376人(286施設)を対象とした3年相対生存率は、全がんで72・1%と前回より0・8ポイント上昇。今回から公表対象に加わった腎がん、喉頭がん、腎う尿管がん、胆のうがんは、85・6%、84・4%、55・6%、33・4%だった。 

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