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お尻の不安を解消してもっと楽しい人生を

お尻の不安を解消してもっと楽しい人生を

特定医療法人社団松愛会  松田病院 松田 聡 理事長・院長(まつだ・さとし)
2002年東邦大学医学部卒業、同第一外科入局。松田病院副院長などを経て、2017年から現職。

 全国にも数少ない大腸肛門病の専門病院。大腸がんと肛門の3大疾患をメインにあらゆる大腸肛門の悩みに応じる。「国民病とも言えるのに医療が手薄い分野です」と語る若き院長。患者へのやさしいまなざしには、熱い思いが込められていた。

―大腸肛門病センターの役割を担っています。

 手術件数は年間1300件弱でうち大腸がんが80~90件。内視鏡検査は1万件を超えます。10人の医師は全員が外科医で、腸全体を診られるのが強み。肛門の症状から病気をいち早く見つけ、全身を診ながらプラスアルファの治療を行います。

 標榜するのは「患者さんにやさしい病院」。当院で扱う病気は、一般病院からすると、「不定愁訴」ですまされる内容も多い。そこを理解して、とにかく患者さんの話をさえぎらずにじっくりと聞く。一番大切にしていることです。

 そしてスピード。胃カメラや超音波など、可能な限りその日のうちに検査して、早く結果をお返しする。機動力をもって、患者さんの不安をいち早く取り除くことに注力しています。

 痔などの機能性疾患で病院に来る人は一部です。課題は、病院に対するハードルをいかに下げるか。そこで進めている一策が女性外来です。女性医師による診察を週1日実施。今はさらにその先を見据え、患者、医療職含めて「院内で女性にしか会わない」仕組みができないか、考えているところです。

―最近のトピックなど。

 便失禁や便秘などの排便障害で来院する方が増えています。高齢化もありますが、メディアによって病気だと認知されるようになったことも大きい。ここ数年で慢性便秘や便失禁のガイドラインもでき、一番ホットなジャンルかもしれません。

 最近続いているのは、自己臭症の患者さん。便失禁がポピュラーになり、「自分も漏れているかも」「におうのでは」と思い込んでしまう。話を聞けばすぐに分かります。内圧検査などで正常値だと示すことで、納得する方が多いですね。

 直腸脱も問題です。元気なのに、これが原因で外出しなくなり、やがて介護や医療が必要になる―。よくある例です。当院の直腸脱手術の平均年齢は82歳。手術で治せば、健康寿命を延ばせるかもしれません。

 気になるとそれしか考えられなくなるのが、肛門の病気の特徴です。神経が集中すると腸や肛門が攣縮(れんしゅく)し、良くない症状が連鎖する。精神的不安を取り除くことが、治療の大きな柱になります。

 大腸がんは別ですが、肛門は悪くても生きていけるし、治療が命を救うわけでもない。けれど、疾患のせいで仕事を辞めたり、心身が弱ったりする人がどんなに多いか。元気で働き続けられる、健康で長生きできるお手伝いができれば、患者さんの人生の質が高まるだけでなく、社会保障費や医療費の軽減にもつながると思っています。

―今後の病院の展開は。

 これまで大腸がんなどの手術を軸とした急性期病院として運営してきました。今後、病院として生き残れるのかという話は必ず出てきます。地域包括ケア病棟やホスピス新設案も出ましたが、今後も今の路線を守ると決めたところです。

 地域医療構想で病院の機能分化が進む中、最初に選ばれる病院になるには、〝〟を捨てることはできない。これまでの信頼をより高めていくことに活路を見いだします。

 今年は、なかなか着手できずにいた病院リニューアルを具体化するのが目標です。悩むべきはやはり建物の大きさ。外来に移行し入院患者が減っている現状で、60床のままでいいのか。今は医師が元気だけれど、将来はどうなるか。考えるべきことは山積ですが、開業30数年が過ぎた今、リニューアル計画を病院活性化の起爆剤にしたいですね。


特定医療法人社団松愛会  松田病院
静岡県浜松市西区入野町753
☎053─448─5121(代表)
http://www.matsuda-hp.or.jp/

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