九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

〝食〟にこだわり地域や職員の健康にも貢献

〝食〟にこだわり地域や職員の健康にも貢献

医療法人泯江堂 三野原病院 三野原 元澄 理事長・院長(みのはら・もとずみ)
1993年東邦大学医学部卒業。2001年九州大学大学院医学系研究科機能制御医学修了。
九州厚生年金病院(現:JCHO九州病院)、長寿科学振興財団リサーチレジデント、
九州大学病院講師などを経て、2015年から現職。

 福岡市郊外の山際に位置する三野原病院。長きにわたる病院の伝統を保ちつつも、現代社会の潮流にのった医療を展開すべく奮闘する。病院食に関しては、独自のスタイルを保持。どんな取り組みがなされているのか、取材した。

―現状は。

 長年、慢性期病院として機能してきた病院です。私は脳神経内科が専門ですので、入院患者の4割程度は神経難病の方です。透析の患者さんも比較的多くいらっしゃいます。

 急性期病院との連携では、主に、福岡青洲会病院や飯塚病院、福岡市民病院などからの患者さんを受け入れています。受け入れに当たっては、当院の地域連携室の看護師が、実際に患者さんの状態を見に行き、検討した上で受け入れる形をとっています。いろいろと連携を深めるよう努めた結果、年間入院患者数は増加しています。

 2015年からは地域包括ケア病床を設置。現在20床まで増やしています。その後、当院が別々の場所で運営していた介護支援事業所など3事業所を院内に移設しました。この移設は、ちょうど2018年の診療報酬改定の前に終えていたので、当院にとっては幸いでした。

―「外来治療食」とは。

 私の父でもある先代が始めた外来患者さん向けの給食です。
 一人暮らしのお年寄りの患者さんは、高血圧食や腎臓病食などを自分で作るのは難しい面もあります。入院中きちんと管理された食事を食べていたときは、病状も改善し、退院できたのに、自宅に帰るとまた悪化してしまう。これを繰り返す患者さんがいることを考慮して始めました。1987年から途切れることなく続けています。

 以前は、隣接する自前の農園で育てた無農薬野菜を使って調理していたこともありましたが、現在では人員不足のため、そこまではできなくなりました。それでも、患者さんたちがおいしく食べられるような工夫はしています。業者から仕入れた食材は、すべて院内の厨房で調理していますし、パンも粉から手作りしています。

 これらの食事は、デイケアや老健でも提供されていて、「ここの食事はおいしい」と患者さんをはじめ、スタッフにも好評です。特に、焼きたてのパンは、「売店でも売ってほしい」との声があるほどです。

 今後は、外来治療食を、できれば温かいままご自宅まで届けられるようにできないかと考えています。ただ、人員、コスト面などでまだまだハードルが幾つもあるのが現実です。なかなか難しいことですが、無農薬野菜を使った食事提供も再開できればいいなと思っています。

―地域へのアプローチについて。

 いろいろな自治体の公民館などを借りて、健康教室を開いています。当院のリハビリスタッフなどが講師として出向き、話をしたり、健康状態をチェックする機械を持ち込んで測定したりします。体重計、身長計、血管年齢を測定する機械や血糖を測る機械の他、iPadを使った認知症度テストや、最近はインボディといった体組成計も使っています。来られた方たちは、とても喜んで利用されていますね。いわゆる、コグニサイズ(認知症予防運動プログラム)も組み込んだりします。

 病院に隣接する老健では、講師を招いて書道教室や陶芸教室なども開いています。特に、陶芸教室は人気があり、それぞれの方が創作した作品を年に1回、10月に開いている「健康フェスタ」で展示しています。

 また、昨年は、職員の健康増進のために積極的な取り組みを行っている企業を認定する「スポーツ・エール・カンパニー」を取得しました。医療に携わる者として、病院スタッフにも元気であってほしい、そう願っています。

医療法人泯江堂 三野原病院
福岡県糟屋郡篠栗町金出3553
☎092―947―0040(代表)
http://minkodo-minohara.com/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる