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〝地域〟と〝最先端〟を両輪に新たな看護師像を描く

〝地域〟と〝最先端〟を両輪に新たな看護師像を描く

四天王寺大学 岩尾 洋 学長(いわお・ひろし)
1974年大阪市立大学医学部卒業。同大医学部教授、同大特命副学長などを経て、
2016年から現職。四天王寺大学教授兼任。

 聖徳太子によって創建された日本最古の学問所「四天王寺敬田院」を起源とし、十七条憲法の第一条「和を以て貴しとなす」から始まる学園訓を有する四天王寺大学。人文社会学部、教育学部、経営学部、短期大学部に加えこの4月、看護学部を新たに開設。岩尾洋学長と山本あい子看護学部長に話を聞いた。

―看護学部の特徴を。

岩尾洋学長(以下、学長)設置認可が下りたのは昨年の8月。本格的な学生募集活動はそれ以降しかできなかったにもかかわらず推薦・一般入試に多くの受験生が集まってくれ、大阪府内に60を超える看護師養成校がある中で、定員を上回る84人が入学しました。

 看護学部では、看護師の国家試験受験資格が取得できるほか、保健師、助産師の国家試験受験資格、養護教諭一種の免許取得も可能です。活躍の場は、病院などの医療機関だけでなく、行政機関、学校、企業などにも広がっています。

 看護学部をつくるにあたって、学生が主体的に、挑戦できる環境を整えました。その一つが、「シミュレーションセンター」です。トライ&エラーを繰り返しながら、専門性を身に付け、羽ばたいてほしいと願っています。

山本あい子看護学部長

山本あい子看護学部長(以下、学部長) 看護学部は「地域医療」と「最先端の医療」を教育の柱に据えています。それはなぜか。もはや、地域医療だけ、最先端医療だけといった偏った知識・技術では、患者さんやご家族に必要な看護が提供できないと考えるからです。

 例えば、病気を患った後、自宅で過ごし、最期を迎えたいと願う高齢者の方がいます。国も在宅移行を推進しています。「地域で患者さんをみる」のが、当たり前の時代になってきているのです。

 医療の進歩も目覚ましいものがあります。病院で患者さんがどのような手術を受け、どのような薬を使ってきたのか。それを理解した上で、地域に戻った患者さんを看る看護師が必要です。同時に、退院後、地域でどのように過ごすかを理解した上で高度急性期医療の現場で患者さんを看る看護師が求められています。

 医師の働き方改革についての議論も進む中で、看護師に求められる知識や技術は、これからますます高度に、幅広くなっていきます。これからの時代で活躍できる看護師を養成していくことが、私たちの責務だと思っています。

―「シミュレーションセンター」の概要を。

学長 センター内には、高機能な患者シミュレーターを複数設置。急性期から終末期までに起こるさまざまな症状を再現できるこの患者シミュレーターを使って、学生は臨床現場さながらのスキルを数多く身に付けていきます。

 シミュレーション時の様子は、録画したり、別教室のモニターに写し出したりすることもでき、振り返り学習にも活用が可能です。

学部長 私たちは、近畿エリアを中心に、70カ所を超える実習施設と連携しています。高度医療を担う大学病院も、在宅医療を支える訪問看護ステーションも、実習先です。

 学生たちに提示したいのは、「看護師の勤務先は病院だけではない」ということ。今は、多様な選択肢があり、さまざまなキャリアプランを描くことができます。われわれ大学側が、卒業後、就職後も学生たちをバックアップしていくことも必要になるでしょう。

学長 1期生が巣立つのは、2023年3月。これから未来に向かって、数多くのことを学んでいきます。日々変化する医療の世界に柔軟に対応し、新しい看護師像をつくっていく―。そんな人材を育んでいけたらと思っています。

四天王寺大学看護学部
大阪府羽曳野市学園前3―2―1
☎072―956―3181(代表)
http://www.shitennoji.ac.jp/ibu/guide/department/nursing/

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