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「良き臨床家」を育て地域医療を支え続ける

「良き臨床家」を育て地域医療を支え続ける

秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系眼科学講座
教授(いわせ・たけし)

1992年金沢大学医学部卒業。
富山県立中央病院、米ジョンズ・ホプキンス大学留学、
名古屋大学医学部附属病院眼科講師などを経て、2019年から現職。

 秋田県内の眼科医療における中心的な役割を担い、地域医療を支え続けている秋田大学眼科学講座。2019年10月に着任した岩瀬剛教授は、これまでの強みを生かしつつ最新の治療に取り組み、人材の育成や地域医療連携にも力を入れていきたいと語る。

―講座の特徴は。

 緑内障、網膜疾患を中心に、特に網膜剝離、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性など早期に治療しなければ失明の恐れがある重篤な疾患に対し、診断と治療を行っています。

 網膜疾患においては、光干渉断層計(OCT)を用いて加齢黄斑変性をはじめとする黄斑疾患の的確な診断を行っています。治療には、光線力学的療法(PDT)や抗血管内皮増殖因子薬による治療を導入。最新のシステムと手技による硝子体手術も数多く施行しており、確実かつ短時間で侵襲が少ない手術を目指しています。

 これまで多くの実績を残してきた緑内障の治療や研究も優秀なスタッフがそろっていますので、引き続き取り組んでいきます。最新の診断機器を導入し、早期発見、治療に努めるほか、手術では常に新しい手法に挑んでいます。

―学生の教育にも力を入れられています。

 本学には、2012年3月に開設された「秋田大学医学部附属病院シミュレーション教育センター」があります。網膜検査トレーニングのための双眼倒像鏡トレーニングシミュレーターをはじめ、実習のための機器が非常に充実しています。

 また、白内障の手術実習では豚の目を使用。実際の手術と同様に、水晶体を取り除き、人工のレンズを入れるという一連の流れを習得できるとあって、学生たちも楽しみにしている実習の一つです。

 手術の現場を見学できる機会も定期的に設けており、これらを通して、多くの学生に眼科に興味を持ってほしいと思います。

―地域での役割について。

 「できる限り県内で医療を完結させること」。これが目標です。

 大学病院には、県内全域の病院や診療所から主に難治性が高い患者さんの紹介が多く、われわれも「最後の砦(とりで)」という意識を持って、高度な手術にも対応していきたいと考えています。

 地域の医療機関との連携も大切です。ご紹介いただいた患者さんは診断した結果を踏まえ、紹介元の医療機関で対応できる場合はお願いします。手術が必要な場合には、手術後に紹介元へ戻って通院いただくなどの判断をしています。

 このように患者さんが通院する負担を極力減らし、地元で安心して治療を継続できる体制を構築することも、当講座に課された役割の一つです。今後もこれらの体制が維持できるよう、より連携を強化していきたいと思います。

―今後の展望は。

 現在、当講座には16人の局員がおり、そのうち10人は30代前半の若い医師です。今後の目標としては、彼らがそれぞれ専門分野を持ち、各疾患を的確に診断・治療できるようになること。それと同時に、研究の目を持つことです。

 しっかりと患者さんを診察できれば、正しい診断だけでなく、新しい発見があり、優れた研究につながります。このような「良き臨床家」を育成し、講座の力を底上げさせることが私の大きな役割です。将来の秋田県の眼科医療を支える意味でも、教育に注力したいと考えています。

 個人的な目標に、網膜疾患に関する新しい治療の開発と、新たな疾患概念の確立があります。これらを達成するためには、1人では難しい。やはり、人材の育成が重要になります。優れた眼科医を育て、共に協力することで、臨床面でも研究面でも、一歩進んだものに取り組んでいけるのではないでしょうか。

秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系眼科学講座
秋田市本道1―1―1
☎018ー834ー1111(代表)
https://eye-akita-u.jp/

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