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「熊本に足りない部分」を埋められる病院に

「熊本に足りない部分」を埋められる病院に


杉村 勇輔(すぎむら・ゆうすけ)副理事長・脳神経内科医長

2010年東邦大学医学部卒業。板橋中央総合病院、
東京都済生会中央病院、熊本大学医学部附属病院(現:熊本大学病院)などを経て、
2019年から現職。

「24時間365日」の脳卒中治療 地域医療の底上げに貢献したい

 杉村病院はこの4月、「脳卒中の24時間365日救急体制」をスタートさせた。熊本大学病院との強固な連携と専門性の高い医療を軸に、さまざまなチャレンジを展開中だ。「民間病院ならではの強みを発揮したい」│。杉村勇輔副理事長に話を聞いた。

近距離だからこそ密な連携が可能

―脳卒中の受け入れを本格化させた背景は。

 熊本大学病院脳神経内科のバックアップを受けて、脳神経内科の連携病院として機能しています。大学病院から当院への転院、当院から大学病院への紹介といった連携の中で「民間病院にしかできない支援」ができればと考えています。

 熊本大学病院脳神経内科の前教授である安東由喜雄先生をはじめ、非常勤などで大学の先生にもご協力いただいています。この近距離ですから、例えば転院してきた患者さんの様子を見るために大学病院の先生が当院に立ち寄ったり、あるいは私が大学病院で脳卒中のカテーテル治療を担当したりといった行き来もあります。

 当院のような急性期と回復期を有する病院が、さらに高い専門性をもって対応していくことで、機能分化を一層明確にできるのではないかと思っています。

救急の問題点はどこにあるのか?

―地域の期待も高いのでは。

 予想に反して、4月は脳卒中の救急搬送が少なかったのです。どういうことだろうかと救急隊員に確認してみたところ、実は熊本市では、脳卒中は軽度の症状でも3次救急として対応していたことが分かりました。

 t─PA治療(血栓溶解療法)やカテーテル治療が可能な設備を有しているのは、主に3次救急病院であるためです。地域の医療モデルとしては、改めて検討すべき点だと思います。3次救急と1次救急の「間がない」状況を、当院が埋めることができればと考えています。近いタイミングで、救急隊と共に勉強会を開く予定です。当院には専門医が在籍しており、「24時間365日体制」で脳卒中の治療が可能なことを知ってほしいと思っています。

 熊本県は、人口10万人当たりの脳血管内治療の専門医が全国的にも少ない。当院では、軽症、中等症はもちろん、重症な症例への対応も十分に可能です。また、回復期リハビリテーションも実施し、心臓血管センターや整形外科、代謝内科があることも強みです。こうした当院の特色をもっと理解してもらうことで、地域の医療体制が底上げできるのではないかと考えています。

コンパクトな基幹病院を構想

―今後について。

 2022年の秋を目指して移転計画を進めています。急性期と回復期それぞれの機能の厚みを増して「コンパクトな基幹病院」とも呼べるような、高度な専門性を持った病院をイメージしています。新病院の建設予定地は現在の当院の場所を起点とすると、大学病院を挟んで反対側です。大学との密な連携は、これまでと変わらず継続していきます。

 熊本県内の病院として初めて、スマートフォン向けの医療関係者間のコミュニケーションアプリ「Join」を導入しました。診断の画像などもしっかりと共有できます。例えば私が不在の時の初期対応や急ぎの治療が必要な患者、あるいは「判断が難しい」といったケースでは、連携している大学病院や基幹病院の先生方に相談することもできます。

 また、リハビリテーションの強化を図り、日本に数台しかないとされる「ドライブシミュレーター」も取り入れました。「運転の自信を取り戻したい」「免許の返納に悩んでいる」。そうした方が対象です。自動車学校とも協力して、必要であればプラスアルファの講習も受けることができます。仕組みを地域で活用できるよう、発展させていきたいですね。

医療法人杉村会 杉村病院
熊本市中央区本荘3─7─18
☎096─372─3322(代表)
http://sugimurakai.jp/

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