九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

 「」の方向性をまとめる上で大きな争点となった「医師の時間外労働の上限規制」。7月に「医師の働き方改革の推進に関する検討会」がスタートするなど、2024年4月の適用に向けて、さらなる議論が進んでいる。

 国が示したのは、医療機関で診療に従事するすべての勤務医が目指すべき「A水準」(年間960時間/月80時間以下)。そして、地域での医療提供体制の確保や、初期・後期研修医が研修プログラムに基づき基礎的な技能や能力を習得する際などに適用される暫定的な特例「B水準」(年間1860時間)。

 では、現時点で勤務医たちは、規制と実態との間にどの程度のギャップがあると捉えているのか。

 医師専用コミュニティサイト「メドピア」は、勤務医約3000人を対象に時間外労働に関するアンケートを実施。

 全体としては「減っている」「どちらかといえば減っている」との回答が52%と半数超。取り組みが少しずつ広がっていることがうかがえる。

 一方で「(規制を)遵守できると思うか?」との質問には「遵守できないと思う」「どちらかといえば遵守できないと思う」と答えた割合が計56%。2024年の医師がどんな働き方をしているのか、明確にイメージできるようになるには、まだ時間を要しそうだ。

[回答コメントより]10年前と比べて時間外労働は減ったか?
調査期間:2019年6月27日〜7月3日 回答者:40代以上の勤務医2908人

特に変わらない 830人
◎雑務は増大しているが患者数が減少しているので全体としては変わらない(50代・小児科)

◎ドクターズクラークの配置で減った業務もあれば、リスク管理方面での講習会出席や書類作成など煩雑になったものもある。トータルでは変わらない印象(40代・眼科)

減っている 821人
◎病院からも時間外労働を減らすように言われており、帰れるときは早く帰ろうという流れに変わってきていると思う(40代・皮膚科)

◎自分自身は加齢に伴い減っており、若い先生たちも確実に減っている。午後8時過ぎに医局にいる先生はいません(60代・小児科)

増えている 198人
◎以前より診療に費やす時間が書類などの事務作業のしわ寄せを受けており、全体的な時間は増加している(50代・循環器内科)

◎研修医の指導や部署内の雑務、委員会活動など、10年前にはしていなかった仕事が増えているため(40代・小児科)

◎電子カルテとなり、就業中に記載すべきことが増えた上、インフォームド・コンセントの内容の記載など、ますます増加している(50代・腫瘍内科)


働き方改革による時間外労働の規制を遵守できると思うか?
調査期間:2019年7月31日〜8月1日 回答者:勤務医3000人

どちらかといえば遵守できないと思う 949人
◎医師の高齢化、医師不足の最たる地域医療の現場でこれが果たして遵守できるかと言われれば、大変困難なこと。医療の内容のパワーダウンを、医療を受ける側にある程度理解してもらえれば可能になる部分もある(60代・脳神経外科)

◎使命感によって医師となる方が多いと思いますので、なかなか遵守は難しいのではないでしょうか(50代・一般内科)

どちらともいえない 620人
◎遵守したとしても、医師の業務量が格段に減るとは思わない(40代・一般内科)

◎時間内に業務をすべて終わらせることができるのか現在の体制では難しい気がする(30代・神経内科)

◎法整備が整い従わざるを得ないと思うが、慣習が残るところもあると思う(40代・麻酔科)

遵守できると思う 248人
◎当方は可能だが、経営陣が意識改革をしないと難しい施設は多いのではないか(50代・一般内科)

◎できるように工夫をしていかないと効率化が図れないと思う(40代・皮膚科)

◎外来診療しかしていないので大丈夫。しかし、大学病院などでは無理だと思う(60代・緩和医療)

調査方法:インターネット 医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ

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