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「感染制御の日」制定 思いはせ、対策徹底図る

「感染制御の日」制定  思いはせ、対策徹底図る

國場 幸均 (こくば・ゆきひと)
1986年北里大学医学部卒業。同大学外科学講師、
京都府立医科大学消化器外科学准教授、
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院副院長などを経て、2020年から現職。

 新型コロナウイルス感染症への対応が本格的に求められるようになった2020年4月に病院長に就任した國場幸均氏。就任時に掲げた目標の達成に向けた取り組みとその成果、「感染制御の日」を定めた経緯について尋ねた。


―就任時に掲げた二つの目標と、具体的な取り組みは。

 一つ目は、地域の住民や医療機関から信頼され、頼られる病院を目指すことです。横浜市西部地域の中核病院として専門的かつ高度な医療を提供するとともに、大学附属病院として医療スタッフの教育にも注力することが肝要と考えました。

 二つ目は、風通しの良い組織づくりです。就任当時、基本的な感染対策を講じながら診療を続けていましたが、「未知のウイルス」ということもあり、職員も手探りの状態で不安な毎日を送っていました。そうした状況の中では、職員同士の信頼関係が重要と考え、何でも相談し合える、気付いたことを言い合える雰囲気づくりを目指しました。

 毎朝始業時に部門責任者を集め、コロナ診療に関する情報共有のためのミーティングを行い、そこで病院の方針も伝えるようにしました。20年4月ごろはマスクをはじめとする医療物資やアルコール消毒液が不足しており、事務部門や薬剤部からの報告をもとに在庫数を確認しながら優先配備先を調整し、情報交換、意見交換を活発にしました。

 ミーティングに参加する各部門の責任者を通じて、病院の進む方向性に対する理解の徹底を各部署にお願いしました。この流れが定着し、ミーティングを待たずして、必要なことは部署間で連絡を取り合って話し合いを重ね、現場レベルで情報共有、意思決定ができるようになり、今日まで続いています。


―院内感染で得た教訓は。

 同年4月下旬に院内感染が発生し、患者さま38人と職員42人が感染し、このうち14人の患者さまが亡くなられる事態となりました。行政の指導を仰ぎながら感染対策の再徹底と診療体制を整える間、一時的に入院・外来とも診療を大幅に制限し、患者さまや地域の医療機関へ多大なご負担とご心配をお掛けしました。患者さまやご家族のご負担は察するに余るものがあります。

 この院内感染を風化させることのないよう、毎年4月20日を「感染制御の日」と定め、日常の診療と病院職員として自らの生活においても感染対策を改めて見直すとともに、亡くなられた患者さま、感染でつらい思いをされた患者さまに思いをはせる日としました。21年4月20日は、院内で追悼式を執り行いました。

 感染対策は私たち病院職員に限らず、患者さまをはじめ当院に関わる全ての方々の協力が必要です。基本に忠実に、できることから少しずつでも継続的に実践していきます。


―今後目指す病院像は。

 感染対策が日常となり、今までの常識にとらわれない新しい発想による病院運営が必要になっています。優先すべきは感染対策を含めた安心・安全な医療を提供すること、患者さまや地域の医療機関から頼られる病院であり続けることです。そのためには、職員の満足度も高める必要があります。医師の働き方改革への取り組みが求められていますが、職種を問わず、医療従事者であるという義務感と責任感に頼るだけではなく、働きがいを感じながら意欲的に働くことができるよう環境を整えていきます。

 運営母体である聖マリアンナ医科大学は21年に開設50周年を迎え、また当院がこの地に開設されて約35年が経ちました。当院の理念である「『生命の尊厳』を重んじ、常に病める人の声に耳を傾け、癒すこと」の実践を常に心掛け、地域の医療体制の維持・発展に貢献したいと考えています。将来の医療を担う人材の育成にも力を注ぎます。

 横浜市西部病院
横浜市旭区矢指町1197―1
☎045―366―1111(代表)
https://seibu.marianna-u.ac.jp/

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