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「必要以上に恐れない」 リアルタイムで情報共有

「必要以上に恐れない」 リアルタイムで情報共有

恩賜財団 済生会滋賀県病院
三木 恒治 院長(みき・つねはる)

1975年大阪大学医学部卒業。米インディアナ大学留学、
京都府立医科大学泌尿器科学教室教授、同大学附属病院長、同大学副学長などを経て、
2015年から現職。

 滋賀県の湖南地域で、第2種感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症に対峙(たいじ)する済生会滋賀県病院。迅速な初動と情報共有を徹底して院内でのクラスター発生を抑えてきた。三木恒治院長は「必要以上に恐れない」ことを訴えながら職員を率いてきた。

─これまでの対応は。

 感染拡大の初期段階から、院内では「これは災害のようになるで」との危機感を持っていました。情報収集を担当していた副院長を中心に対策委員会を立ち上げて早急に「災害モード」の対応に切り替えました。初期は感染症病床6床で対応し、その後HCU(高度治療室)を含めた救急病棟の一部をコロナ専用にして患者さんを受け入れました。

 クラスターを絶対に発生させないという強い決意で、感染防止対策には細心の注意を払いました。外来患者さんの検温を徹底。入院患者さんの面会は禁止にしました。患者さんの荷物を持参した家族が来院した場合は、専用のエリアで職員が荷物を受け取り、患者さんに渡していました。

 職員は少しでも体調に不安がある場合は休んでもらいました。3人の感染管理認定看護師が病棟のゾーニングのチェックや、他の職員に対してガウンの着脱の仕方などを指導してくれました。マスクなど物資の調達については先手を打って確保を進めていたので、行政や県内の企業などを通じて早急に確保することができました。

─情報共有を図るために工夫したことは。

 毎日午後4時に、関連部署が集まってミーティングを行っています。またオンラインでの情報共有も図っています。ポイントは、役職者だけではなく、一般職員もメンバーに含めたことです。全体での情報共有や意見交換ができるようにしたことで、多種多様で有益な情報がリアルタイムで次々に入ってきて、非常に役立っています。

 職員へのワクチン接種は1回目を3月初旬、2回目を3月下旬に行いました。インフルエンザのワクチン接種と同様の流れで進め、スムーズにできたので、今後始まる一般向けの接種もできる限りサポートをしたいと考えています。

 今後は、コロナ以前から予定していた新しい「新外来棟」の建設を本格的に進めていきます。現在は院内の委員会で新しい患者ニーズにどのように応えていくかを検討している段階です。感染症外来のエリアも新設する予定で、新たな感染症のまん延に備え、コロナへの対応の経験から通常の外来とは動線を明確に区切る必要性があると考えています。

─コロナ禍で得た教訓と、職員に伝えていることは。

 コロナへの対応を通して、病院間の連携を強める必要性を改めて痛感しました。患者さんがある程度回復したら他病院に移ってもらうなど、分担をきっちり進めることで医療崩壊が起こらないシステムを構築すべきだと考えています。初期段階から情報を共有して、リスクを分担していくのが理想的ですね。

 これまでコロナと対峙し、院内でのクラスターの発生を抑えることができているのは、職員が一丸となって一生懸命取り組んでくれたおかげです。結束のなせる業で、院長として非常に感謝していて、頭の下がる思いです。初期段階にコロナへの対応に不安感を示す職員もいましたが、きっちりと対応すれば、必要以上に恐れる必要はないということが分かりました。

 私が職員にいつも伝えている言葉があります。それは、院長室の壁に飾っている漫画家の南久美子さんにいただいたイラストに添えられている「なんとかなる」という言葉です。「みんなで力を合わせたらなんとかなる。一生懸命やったらなんとかなる」という思いも込めて伝えています。

恩賜財団 済生会滋賀県病院
滋賀県栗東市大橋2─4─1
☎077─552─1221(代表)
https://www.saiseikai-shiga.jp/

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