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「心理的安全性」軸に 移転見据え改革図る

「心理的安全性」軸に 移転見据え改革図る

箕面市立病院
岡 義雄 病院長(おか・よしお)
1984年山口大学医学部卒業、大阪大学医学部第2外科入局。
米スタンフォード大学留学、西宮市立中央病院外科主任部長、
箕面市立病院副院長などを経て、2021年から現職。


 約105万人が暮らす大阪府の豊能医療圏で、地域医療の中核を担う箕面市立病院。病院長の岡義雄氏は、2025年
度に予定される移転を見据え、求められる役割を模索しながらさまざまな改革を進めていく。


建て替え移転前に経営改善に挑む

 北大阪急行線の延伸で、大阪府箕面市に新たに整備される「箕面船場阪大前駅」の近くに建て替え移転を予定している箕面市立病院。現在は2025年度に向け、新病院の在り方についての検討を進めている。今後、病床数や診療科のバランス、さらには運営主体や運営手法についても協議していく。

 移転を着実に進めるために実行していかなければならないのが、経営改善だ。4月に病院長に就任した岡氏は、「改善を達成するために私たちに必要なのは、意識改革と行動変容。現状維持は、後退と同じ。さまざまなことにチャレンジして新しい価値を創造する、という気概で臨みます」と力を込める。

 優先して取り組むのは、地域においてどのような役割を担うべきか、何ができるかについて、病院全体でアイデアを出し合って実践すること。さまざまな実践を積み重ねることで病院の質を向上させ、経営改善につなげたい考えだ。


問題意識を共有 自ら考え、動く  

 2次救急医療機関として、救急搬送の応需率をどう向上させるかが長年の課題の一つだった。職員に救急医療についての今後の方向性を尋ねると、「要請はできる限り断らない方がいい」「開業医からの依頼は受けるべき」などさまざまな声が上がり、応需率を向上させることに前向きな意見が多いことが分かった。

 そこで、過去に受け入れができなかったケースをひも解き、どこに問題があったのか、どうすれば受けられたか、要因を分析した。現在も改善の途中だが、応需率は向上しているという。「トップダウンでは現場が疲弊し、長続きしない。問題意識を共有できたことが大きかった」と振り返る。今後は各診療科の部長と協力し、ERをバックアップする体制を整えていく。

 今後注力したいのは、業績をつくり、広く周知すること。集患、人材獲得に役立てる狙いがあり、「手術実績や、臨床研究の中身は外からは見えにくい。論文作成や学会発表を増やして、当院のアクティブな姿勢を周知したいと思っています」。臨床と研究活動の両立は、医師派遣を担う大学へのアピールにもなると話す。

 コロナ禍における情報発信の手段の一つとして、登録医向けのパンフレットの作成に着手している。疾患グループごとに手術成績や特長を盛り込む予定で、「急性期病院が多くある中で、特色を訴えることで当院に紹介したいと思ってもらえるようにしていきます」。


「心理的安全性」運営のキーワードに

 組織運営のキーワードとしているのが、ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱する「心理的安全性」だ。ミスの報告や問題点の指摘を臆することなくでき、自分らしくいられる状態を指し、岡氏は、そのような組織風土をつくることが、医療安全の面でも非常に重要だと捉えている。「率直な意見交換ができなければ、多職種によるチーム医療も形だけのものになる。心理的安全性を土台に、職員がより能力を発揮できるチームづくりを目指したい」と語る。

 コロナ禍で奮闘してくれている職員への感謝の気持ちが、さまざまな改革へのモチベーションとなっている。「働き続けたいと思える病院にすることで、奮闘に報いたい。信念を持ってやるべきことはやり、変えるべきところは変える。自ら動いて変えていきます」



箕面市立病院
大阪府箕面市萱野5-7-1 ☎072-728-2001(代表)
https://www.minoh-hp.jp/

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