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「山は高く、裾野は広く」 専門性とシームレスケアで勝負

「山は高く、裾野は広く」 専門性とシームレスケアで勝負


院長(よしおか・のぶお)

1984年奈良県立医科大学卒業。
奈良県立三室病院(現:奈良県西和医療センター)、
町立大淀病院(現:南奈良総合医療センター)、西の京病院副院長兼透析センター長などを経て、
2017年から現職。

 県内有数の実績を持つ人工透析センターなど、複数の専門性に特化。かつ、法人施設連携でつぎ目のない医療と介護を提供。さらに、予防医療も充実させることで病院存続・発展への布陣を固める西の京病院。将来を見据える院長の胸中とは。

―強みを生かした病院運営に取り組んでいます。

 医療法人として早くから、髙比康臣理事長が提唱する「山は高く、裾野は広く」という「富士山構想」を取り入れてきました。つまり「機能を絞った専門性」と「面倒見のいい病院」の両立です。

 目指してきたのは、急性期から介護・在宅まで患者さんを生涯にわたって支える総合医療施設。地域医療構想を法人内で完結するというコンセプトです。

 「山」を代表するのは、患者総数380人の人工透析センターです。腹膜透析(CAPD)センターも併設。血液ろ過透析(HDF)の県で初めての導入など、透析医療の推進に注力しています。元気な方は駅前のクリニックに通えますが、ここは高齢で合併症のある患者さんも受け入れます。透析については今後も需要は大きいと思っています。

 次に、血管外科センター。下肢静脈瘤(りゅう)の血管内焼灼術(EVA)の手術数は2018年800件を超え、病院としては全国上位。2019年は900件に達する見込みです。

 鎮静下内視鏡検査が年間6200件に上る内視鏡センターや、腹腔鏡手術を強みとする消化器外科、低侵襲手術に力を入れている人工関節センター、脊椎センターも強みです。

 さらに、年間650件実施する人間ドックと年間4000件行うPET検診の融合も計画。2020年4月には内視鏡センターの一部も移し、総合検診センターを立ち上げます。人間ドックとがん検診を一度に行うことで、健康寿命の引き上げとがんの早期発見に寄与できればと思っています。

―「裾野」にあたる部分は、どう展開していますか。

 シームレスな体制を構築しています。地域包括ケア病棟、療養病棟をはじめ、介護老人保健施設も敷地内に配置し、急性期からの患者さんを順次受け入れています。老健はこの10月に超強化型を取得し、さらに在宅復帰を推進します。

 訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅も併設。2020年4月にグループホームも開設予定です。

 健康寿命の延伸を支える分野にも注力。隣接するメディカルプラザでは、医科・歯科連携を強化。嚥下(えんげ)内視鏡や肺炎予防の口腔ケアに意欲的に取り組んでいます。

―経営改善について。

 一つ目は、近隣との連携。特に車で10分足らずの奈良県総合医療センターとの連携強化です。ポストアキュートや2次救急の受け入れを積極的に行っています。

 次に、優秀な医師の獲得。病院経営のエンジンは医局であり、いい医師です。しかし民間病院は大学からの医師派遣だけでは充足しません。そこで、時間をかけて医師派遣会社との信頼関係を作りました。2019年度初めに一気に4人、さらに10月には優秀な循環器内科医が着任しました。2020年4月にも消化器内科医が加わる予定です。

 実績を持つ秀でたドクターとなると、当院に来てもらうために話をまとめるのは簡単ではありません。2年前に着任した脊椎センター長も2年かけて口説き落としました。例えば地域の講習会へ行ってもらう機会を設けています。高い技術をアピールして部門を伸ばしていきたいですね。


 将来的に病院の数は半減するとも言われています。肝心なのはビジョンを明確にして、地域にしっかり貢献すること。役割を果たしながら存続できるよう、これからも気を引き締めていきます。

医療法人康仁会 西の京病院
奈良市六条町102―1
☎0742―35―1121(代表)
https://www.nishinokyo.or.jp/

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