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「安心とつながりの拠点」となる病院を目指して

「安心とつながりの拠点」となる病院を目指して

  病院長(いしはら・じゅん)
1979年慶應義塾大学医学部卒業、同大学病院小児科、都立清瀬小児病院循環器科、
横浜市立市民病院小児科医長・副病院長などを経て、2013年から現職。

 横浜市立市民病院は横浜市の基幹病院として、がん、救急、感染症を中心に、高度医療から小児医療、周産期医療など、地域に必要な医療を提供している。2020年5月には、新病院がオープンする予定。より一層の医療提供体制の充実が期待されている。

―病院の役割について教えてください。

 横浜市立市民病院は、市や関係機関と連携し、①がん診療、②24時間365日の救急対応、③感染症医療、④小児・周産期医療など政策的医療を積極的に担っています。

 なかでも感染症医療は、県内唯一の第一種感染症指定医療機関になっており、感染症病床も26床と国内でもトップクラス。県内の感染症医療における中核的役割を担っています。

 また、市民に良質な医療を提供していくために、医療人材の育成に力を入れています。育成の対象者は、当院に限らず、地域医療機関、介護関連に至るあらゆる地域の医療関係者です。そうした医療人材の育成とともに、地域連携のネットワークを整備していくなど、地域医療全体の質の向上にも貢献できるように努めています。

―新病院の構想について。

 新病院の基本理念は「安心とつながりの拠点」です。「安心」は、良質な医療を提供するだけではなく、救急や災害・染症対策など、市民の安心な生活を守るということです。新病院では、これまで以上に需要が見込まれる救急医療、小児・周産期医療、がん対策に関する機能を強化します。

 救急医療では「断らない救急」を目指し、救急病棟を増床するとともに、病院敷地内に併設される救急ワークステーションやドクターカーとも連携し、横浜市の救急医療体制の一翼を担っていきます。小児・周産期医療については、NICU・GCUを増床するとともに、分娩室を6室整備する予定です。

 病床については多床室を現在の6人床から4人床とし、個室割合を今の倍以上に増やします。これにより患者ニーズに即した良好な環境を提供するとともに感染症対策を含めたより効率的な運用が可能です。

 がん対策では、手術室を15室に増やし、最新の高精度リニアックの導入や外来化学療法室の拡充、がんサロンの設置などを行ないます。また、がんゲノム医療にも積極的に取り組みます。災害への対応も強化しています。診療棟を免震構造とし、物資の確保も含め、災害拠点病院の機能を7日間維持できるよう備蓄・整備を行ないます。隣接の三ツ沢公園とも連携し、大規模災害時にも市民に安心を提供できる体制をつくります。

 一方「つながり」は、患者さんやご家族が退院後の生活を視野に入れて、安心して入院治療を受けられるよう、地域の医療機関はもちろん、在宅医療や介護、行政機関などと今まで以上に積極的に連携していくということです。管理棟に大講堂を整備し、地域医療関係者との研修会や講演会を開催したいと考えています。さらには、市民の健康管理などに関する情報を、積極的に発信していくつもりです。これからの病院は、医療だけではなく市民生活の拠点でもあるべきだと考えています。

―病院長が目指す病院像とは。

 かつては「病院らしくない病院」という表現が流行したこともありましたが、市民が当院に求めているのは、最先端で安全、確実な医療です。高度急性期医療を掲げるのであれば、機能面においては極めて「病院らしい病院」であることが必要ではないでしょうか。

 そのため新病院では、さらに高度で先進的な医療の提供に努めます。

 これらを実現するために、自分たちにも厳しい目を向ける必要があるでしょう。市民がわれわれに求める安心、信頼できる病院に向かって、一丸となって取り組んでいきたいと思っています。

横浜市立市民病院
横浜市保土ケ谷区岡沢町56
☎045─331─1961(代表)
https://yokohama-shiminhosp.jp/

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