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「子どもの総合医」であるために

「子どもの総合医」であるために

岩手医科大学医学部 小児科学講座
赤坂 真奈美 主任教授(あかさか・まなみ)
1993年自治医科大学医学部卒業。
岩手県立福岡病院(現:岩手県立二戸病院)、岩手県立千廐病院、
岩手医科大学医学部小児科学講座准教授などを経て、2021年から現職。




◎女性教授目線で発信・改革を

 2029年に100周年を迎える歴史のある講座です。1982年に第3代藤原哲郎教授により、東北・北海道で初めての新生児集中治療室を開設。新生児呼吸窮迫症候群の特効薬サーファクタントが開発され、世界中の早産児の救命率は飛躍的に改善されました。今後も医学の発展と未来の子どもたちのために、ここ岩手から世界へ発信できる
ものを目指して、多くの研究を行っていきます。

 私は自治医科大学を卒業後、岩手県内の病院や診療所で9年間、内科・小児科医として勤務し、その間に2人出産し子育てと両立しています。岩手医科大学にはこれまで女性の臨床教授がおらず、私が初となります。総合診療科としての県内各地の勤務、大学での小児神経分野の研究と臨床などの経験も生かし、2024年から始まる医師の働き方改革を見据え、病院全体の医師の働く環境に目を配りたいと思います。さらには、女性医師のキャリアアップ、若手医師育成と学生教育に重点を置き、女性教授目線で発信・改革していきます。


◎医療的ケア児や移行医療の充実を

 当講座は、神経、新生児、循環器、血液(腫瘍・免疫)、総合(腎臓・消化器・アレルギー・内分泌)の五つの専門グループがあり、互いに共同し、高度医療を提供しています。小児科専攻医プログラムでは、質の高い小児科専門医の育成とともに、さらに各分野を極めるサブスペシャリティー専門医の習得を指導しています。

 近年、早産・低出生体重児は、将来的に生活習慣病のリスクが高いことが判明しています。早産児は救命する時代から、健康な成人へと導く時代へと変化。そのための発達医学に着目した調査・研究に着手しています。

 また、少子化にもかかわらず医療の向上で、医療的ケア児は年々増加し、10年前の2倍になっています。2021年9月には医療的ケア児の支援法が施行され、社会全体による平等かつ切れ目のない支援が期待されます。

 当講座ではこれに先立ち、患者家族を中心に「いわてチルドレンズヘルスケア連絡会議」を、さらに全国4番目となる障がい児者医療学講座を開設。医療的ケア児や移行期医療の充実などに注力しています。教育施設であり、最先端の高度医療を提供する医療機関として、少子・人口減少時代に求められる新しい医療を推進していきます。
 

◎地域連携やチーム医療で子どもたちを守る

 小児入院に当たっては、疾患や診療科にかかわらず、15歳以下の子どもたちと小児慢性特定疾患を持つ20歳までを、全て7階に集約しました。小児病棟58床、総合周産期・母子医療センター24床、回復期治療室14床の計96床があり、集中治療を要する子どもは、小児・一般集中治療室や循環器集中治療室にて対応。他科・多職種によるチーム体制で、高度医療を行っています。

 東日本大震災を経験し、医療情報の保護と共有を目的に電子カルテ端末と一体化したテレビ会議システムを構築。広大な岩手および北東北医療圏を含む全ての関連病院が24時間365日つながっています。

 さらには、遠隔医療支援、症例検討や合同勉強会を継続しています。コロナ禍においては、重症児や入院中の子どもたちを守るためにオンラインを活用した新しい診療、面会、授業にも取り組んでいます。

 家族背景や置かれた環境への配慮、子どもたちの人権や福祉の向上、医療の研究と発展、啓発活動、社会貢献を行うことを基本理念に、多様性を認め合い、男女ともに活躍できる医局を目指したいと思います。若手には、視野を広げるためのさまざまなチャンスを与え、「社会貢献、忘己利他の精神、誠の人間性に裏打ちされた誠の医療の実践」を伝え続けます。



岩手医科大学医学部 小児科学講座
岩手県矢巾町医大通2-1-1 ☎ 019-613-7111(代表)
https://www.iwt-pediatrics.com/

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