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「地域に役立つ」責務を胸に

「地域に役立つ」責務を胸に

独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
小池 薫 院長(こいけ・かおる)

1981年慶應義塾大学医学部卒業。
米コロラド大学、日本医科大学救急医学教室、東北大学救急医学分野助教授、
京都大学初期診療・救急医学分野教授などを経て、2020年から現職。

 救急医学を専門とし、京都大学初期診療・救急医学分野など救急医学講座の立ち上げに携わってきた小池薫氏。2020年4月、3次救急を担う京都医療センターの院長に就任した。

コロナ禍での着任 安全第一を掲げ

 就任してからの9カ月余りを「新型コロナウイルス感染症に関することしか考えられなかった、というのが実際のところ」と振り返る小池氏。「ただ、新型コロナへの対応に付随して、病院内や診療のこと、職員の人柄などを早く理解できたかもしれない」と語る。

 軽症から重症まで、予定枠以上の患者さんを受け入れる同センター。「当初は情報や資材の不足で、発熱患者さんを断わらざるを得ないこともありました。『それで地域の役に立つと言えるのか』といったお叱りも、ずいぶんと受けましたね」

 冬に向け、発熱患者の受け入れ体制の整備などに取り組み、「対応力はだいぶついたと思います」。いざというときに、地域住民に頼られる病院、役に立つ病院であること。その責務を改めて胸に刻んだ。

 同時に、職員に伝え続けてきたのは安全と心身の健康管理の大切さ。「『コロナ診療のために危険であってもがんばろう』という発信ではなく、安全が一番だと、いつも最初に挙げるようにしています」

役割分担と連帯感強化を

 並行して取り組んできたのが、救命救急センターの運営面の改善だ。2020年春の時点で、救命救急科の専従医が15人、ICU・HCUが計30床。「全国的にも恵まれており、素晴らしい長所。ただ、救命救急センターに入院して、状態が落ち着いた患者さんが一般病棟に移った際に、そのまま救命救急センターの医師が主治医として診る場合が多々あり、そこは改善すべきだと思いました」

 中等症以上のコロナ患者を救命救急科で見ていることもあり、早い段階で救命救急センターからの患者を関連する診療科で引き受ける体制をつくった。救命救急センターの医師は本来診るべき患者の診療に特化でき、負担も減ったという。

 同時に目指したのは、救命救急センターの一体感の強化だ。救命救急センターの病棟や救急外来の責任者を若手の中から選んだ。「先輩が見守る中で、若い人たちが生き生きと仕事をしている。連帯感が増し、同じ人数でも発揮できるパワーが大きくなっていると感じています」

地域、職員の声に耳を傾ける

 救急の道に進むきっかけは30歳のころの出会い。「当時勤務していた病院に、日本医科大学から非常勤で来ていたのが、救急や災害医療の草分けと言われる山本保博先生。『救急をやらないか』と声をかけてくださったのです」

 アメリカにいる外傷外科の権威のもとで4年間、基礎研究に打ち込み、1994年に帰国。日本医科大学を経て、東北大学の救急医学教室の開設に伴って仙台へ。救命救急センターの開設に向けて取り組んだ。

 目処が立ったところで、京都大学初期診療・救急医学分野教授に招かれ、14年間で、・ヘリポート建設などを実現。さらに、府内の医療機関や、行政、他大学病院の救急部門との連携も深めてきた。

 大事にしてきたのは、「声を聞く」こと。コロナが小康状態になった時期には、地域の声を聞くために周囲の病院やクリニックに出向いた。意見や要望が出れば直ちに関連部署と相談し、改善に当たるよう心掛けている。

 「声を聞かせていただくには、こちらから足を運ぶのが一番です。病院の中でも同じ。医師、職員が頑張ることができる環境を整えるべく、職員の話に耳を傾けたいと思います」

独立行政法人国立病院機構 京都医療センター
京都市伏見区深草向畑町1-1 ☎075-641-9161(代表)
https://kyoto.hosp.go.jp/

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