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「共同」を意識して地域連携を推進する

「共同」を意識して地域連携を推進する

公益財団法人 宮城厚生協会坂総合病院
内藤 孝 院長(ないとう・たかし)

1985年東北大学医学部卒業。
財団法人宮城厚生協会坂総合病院(現:)副院長、
同協会泉病院院長などを経て、2014年から現職。

 前身である私立塩釜病院が開設されて以降、約100年にわたって塩釜地域の救急・急性期医療を担ってきた坂総合病院。2014年に院長となった内藤孝氏は、これまでの病院の歴史を重んじながら時代に沿った理念を掲げ、強固な地域医療連携を目指している。

―2019年3月に病院の理念を改訂されましたね。

 以前の理念は、時間の経過と共に院内で埋もれてしまっている印象がありました。そのため、改めて時代に適した分かりやすい指針を掲げたのです。

 新たな理念は「わたしたちは確かな医療と共同で地域の安心を支えます」。当院はこれまで主に地域の救急・急性期医療を担ってきました。今後もその役割を果たすには、地域の行政、医療機関、住民の皆さんとの「共同」が欠かせません。それぞれの結びつきを大切にしながら、力を合わせて地域完結型の医療を実践したいと考えています。

 また、理念の改訂と同時に、病院内外から意見を募って三つのビジョンを決定しました。まずは「断らない病院」、次に「人に寄り添う病院」、そして「職員が活(い)き活きと働く病院」です。当院では入院患者さんから差額ベッド代をいただかず、無料低額診療も実施してきました。今後も困難を抱えた患者さんを見守り、同時に良い職場づくりも意識したいと思います。

―地域との連携についてお聞かせください。

 当院は2007年に地域医療支援病院に指定されて以降、かかりつけ医との関係を大切にしてきました。2015年にはよりスムーズな連携を構築するため、「地域医療連携センター」を設置。ここでは患者さんの紹介、入退院支援などを地域の医療機関と協力しながら進めています。現在、塩釜地域にある開業医の約9割に登録医としてご協力いただいています。

 地域住民とのつながりとしては、当院が中心となって結成した「みやぎ東部健康福祉友の会」が大きな役割を担っています。健康講座や血圧測定会などを定期的に開催することで、地域医療の向上を図るほか、当院の職員が地域の皆さんとふれあう場としても貴重な機会になっています。

―臨床研修病院として医師の育成にも努めています。

 当院は現在の臨床研修制度が始まる以前からスーパーローテート方式を採用し、専門性だけでなく総合的に診療できる医師の育成に取り組んできました。研修医は宮城県や他の東北地方に限らず、九州などからも応募があり、定員11人に対してほぼフルマッチの状況が続いています。

 加えて、総合診療医の育成面では「みちのく総合診療医学センター」も挙げられます。ここでは当院と他の病院が連携し、日本プライマリ・ケア連合学会の認定を受けた研修プログラムを実施。総合診療・救急・在宅医療に加え、地域に密着した中小規模病院や診療所での医療が経験できる場を用意しています。少子高齢化や医師不足が進む地方では、総合医の需要が高まっていますので、今後も育成の分野には注力したいと考えています。

―今後の展望は。

 これまで以上に高齢者の疾患、中でもがんに対応できる医療が求められます。当院としては緩和ケアや在宅診療も充実させて、地域に住む高齢者が安心して暮らせる医療体制を整えたいと考えています。

 院内に向けては、理念やビジョンを浸透させることが大切だと感じています。特に「職員が活き活きと働く病院」は重要なテーマです。職員同士が互いに認め合い、充実感を得られる環境を整えることは、結果的に患者さんの満足度向上にもつながります。職員が同じ目標を見ながら進むことで、より地域に信頼される病院を目指したいですね。

公益財団法人 宮城厚生協会坂総合病院
宮城県塩釜市錦町16─5
☎022─365─5175(代表)
https://www.m-kousei.com/saka/

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