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「健都」へ移転して1年 国循との連携をさらに推進

「健都」へ移転して1年 国循との連携をさらに推進


総長(きぬた・まさかつ)

1978年大阪大学医学部卒業。
大阪大学医学部附属病院研修医、
市立吹田市民病院(現:地方独立行政法人市立吹田市民病院)副院長などを経て、
2013年から現職。

 大阪府吹田市と摂津市にまたがる吹田操車場跡地に、病院・高齢者向け住宅・商業ビルなどを備える健康・医療のまちづくり「北大阪健康医療都市(通称:健都)」の開発が進んでいる。国立循環器病研究センターと共に、複合医療産業拠点の一角を担う市立吹田市民病院は、この地に新築移転してから1年が経過した。

―「健都」とは。

 「健都」は、国立循環器病研究センター(以下国循)を核として、循環器疾患分野における予防・医療・研究機関を集約した複合医療産業拠点であり、「医療クラスター」の形成を目指したプロジェクトです。国循は2019年7月に、当院はそれに先駆けて2018年12月に移転しました。

 両病院の間に位置する複合商業施設もオープンし、「健都」の中心部の施設はおおむね完成したところです。今後、緑地や居住区域などが順次利用開始となります。

―国循との連携について。

 ナショナルセンターと公立病院が隣接して連携するということで、移転前から何度も協議を重ねてきました。実際に国循が移転してきて連携がスタートすると、想定していなかったことが起こっています。

 例えば、国循は循環器疾患が専門です。当院には循環器内科はありますが、心臓血管外科はありません。国循から紹介される心臓手術後の患者さん、人工心臓を使っている患者さんなどの対応に関して、知識や経験が不足している部分があります。その逆の場合もあり、お互いに医師を派遣するなどして対応していますが、その費用や患者さんの入院費をどう分担するかなど、まだ手探りの状態です。

 当初の計画段階では、両院間の患者搬送で使えるよう約300メートルの渡り廊下を建設する構想などもありましたが、残念ながら予算面で実現しませんでした。

 病病連携も、夫婦と同じようなものですね。一緒に暮らし始めると今まで見えなかった現実も見えてくる(笑)。そこでへこたれずに、どう解決していくか、肩ひじを張らずに話し合っていこうと思います。

 当初より計画されていた電子カルテの共有については、2020年には開始できるめどが立ちました。今後は、相互に参加する院内勉強会やセミナーなども積極的に開く予定です。

 移転後1年を経て、この特別なエリアにある市民病院の役割が見えてきたように思います。一つは市民病院として地域に根付いた診療を行うこと。もう一つは、国循をサポートすること。この役割が市民の皆さんにも広く浸透していくよう、しっかりと腰を据えて取り組んでいきます。

―今後の展望を。

 移転後、紹介による患者さんが6倍ほどに増えています。病床稼働率が高くなっていることから見ると、特に入院患者が増加。手術件数も増えました。

 国循との連携も含めて、職員はこれまで以上に、スキルを磨く必要が出てきています。各部署で勉強会を実施する、国循でのセミナーに参加するなど、自己研さんに励んでいます。

 回復期リハビリテーション病棟を開始したこともあり、新規採用の職員が増えています。今は初期投資の時期、将来的に必要な増員であると捉えています。

 新病院建設時に「働きやすい意欲の持てる病院」というコンセプトを掲げました。職員との会話を大切にし、職員からアイデアをもらいながら、働きやすい環境をつくっていけたらと思っています。

 会話の大切さは、患者さんに対しても同じでしょう。「患者さま」と呼ぶことよりも、名前でお呼びしたほうが親しみを感じるのではないでしょうか。大切なのは、患者さんの顔を見て、話すこと。職員にも折に触れ、伝えています。それが信頼される病院づくりにつながると信じています。

地方独立行政法人 市立吹田市民病院
大阪府吹田市岸部新町5―7
☎06―6387―3311(代表)
https://www.suitamhp.osaka.jp/

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