九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

「人を幸せにする町医者」でありたい

「人を幸せにする町医者」でありたい

 折田 浩 院長(おりた・ひろし)
1986年川崎医科大学卒業、同耳鼻咽喉科入局。
大阪大学医学部附属病院、社会保険紀南綜合病院(現:紀南病院)などを経て、
1994年から現職。

 耳鼻科の医師になりたい。少年時代から強い思いを抱き、迷わず信じる道を歩いてきた折田浩院長。「私を育ててくれた町」という西宮にクリニックを開業して、もうすぐ四半世紀が経つ。唾液を用いたがんリスクのスクリーニングなど新たな試みにも積極的。「1人でも多くの人を幸せにしたい」と奮闘する「」の横顔に迫った。

―なぜ医師になろうと思われたのですか。

 幼少期、親に連れられて耳鼻科に通っていた時期がありました。おそらく中耳炎だったのだと思います。のちに「あの先生がいなかったら、耳は元通りになっていなかったかもしれない」。そう母から聞いて、いたく感動したことを覚えています。

 もう一つ記憶に残っていることがあります。中学生の頃、勉強など手につかないほど、ひどい鼻炎に苦しめられていた時期がありました。わらにもすがる思いで耳鼻科を訪ねたのですが、診断ははっきりせず、処方された薬でも症状は改善しない。こんな医療には納得できない―。

 このときの憤りが、医師を目指すようになった出発点です。医学部に入学する前から耳鼻科医になるのだと決めていました。周囲には、当初から希望する診療科が一貫しているケースは珍しいなどと言われましたね。

 そして、医学部を卒業したら、できるだけ多くの医療機関で経験を積んで、早く開業したいと考えていました。地域の中で患者さんに寄り添い、回復していく様子や喜ぶ顔を見守る。そんな「町医者」になりたかったのです。


―大事にしていることを教えてください。

 例えば、子どもはうまく自分の症状を話すことができないでしょう。だからこそ私たちがその訴えをしっかりと理解して、分かりやすく親に伝えなければならないと思っています。

 「せきが止まらない」というケースなら、かぜ、アレルギー疾患、気管支炎など、考えられる要因はさまざまです。小児科ではかぜと診断されて薬を飲み続けていたのだが、なかなか治らない。そんな不安から当院を受診される方も少なくないのです。

 診察は、患者さんが診察室に入ってくる瞬間から始まる。私はその意識をずっと大切にしてきました。歩き方や顔色、あるいは簡単な会話だけで、何の疾患であるかを判断できるケースもあります。救命救急センターや麻酔科などで重ねてきたトレーニングが、今の診療に生きていると感じますね。1人でも多くの患者さんや家族を幸せにしたい。その思いは強くなるばかりです。


―唾液を活用してがんリスクを評価する検査をスタートされました。

 がんの早期発見に少しでも貢献できればと考え、今年1月、サリバテック社の唾液スクリーニング検査を導入しました。数滴の唾液で、5種類のがん(すい臓がん、大腸がん、乳がん、肺がん、口腔がん)のリスクを検査することができます。

 がんの検査について感じていることがあります。毎年人間ドックを受診しているから、自分はがんではないだろう│。みなさん、なぜかそう思い込んでいないでしょうか。このスクリーニング検査のように、がんに特化した検査だからこそ発見できる場合があります。2人に1人ががんになると言われる時代。必要性を知っていただきたいと思うのです。


―今後は。

 求められるクリニックのあり方は変わっていくものだと思います。しかし、医師としての知識や経験がしっかりと備わっていれば、どのような状況下であっても患者さんに貢献することができるでしょう。

 これからも、人を幸せにできる医療を追い求めていきたいですね。

おりた耳鼻咽喉科医院
兵庫県西宮市下大市東町25―5
☎0798─54─3391(代表)
http://www.orita.jp/

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