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「三方良し」の関係築きなくてはならない病院に

「三方良し」の関係築きなくてはならない病院に


理事長(しまだ・としゆき)

1999年東邦大学医学部卒業。慶應義塾大学病院一般・消化器外科、
国立がんセンター東病院(現:国立がん研究センター東病院)乳腺科、
米ハーバード医学大学院、米マサチューセッツ総合病院がんセンターなどを経て、
2015年から現職。

 理念に「地域にあって良かった 患者さんがかかって良かった 職員が働いて良かった」を掲げ、その実現に力を注ぐ春江病院。3市1町からなる福井・坂井医療圏(福井市、あわら市、坂井市、永平寺町)でも、機能分化に向けた動きが進みつつある。地域医療のあり方が変わる中、どのような組織を目指しているのか。嶋田俊之理事長に聞いた。

─目指す病院づくりについてお聞かせください。

 この理念は、2016年に移転して新病院を開院した際に「地域における春江病院の役割」をイメージしてつくったものです。「地域にあって良かった 患者さんがかかって良かった 職員が働いて良かった」の三つの「良かった」は、患者さん、地域、病院が「三方良し」の関係にあることを表しています。

 当院が「この病院で診てもらいたい」と患者さんが思ってくれる病院であり続けられれば、おのずと職員が働くモチベーションも高まるでしょう。それがいい医療となって、地域へのさらなる貢献に結びついていくのだと思います。

 「ありがとう」と言われる組織を築くことが、これから先も生き残っていく病院の要件ではないでしょうか。もちろん、現状はまだ不十分な部分もありますから、患者さん、職員と意識を共有し、時間をかけて成し遂げたいですね。

─最近の取り組みについてはいかがでしょうか。

 採用や働き方の改善に関する取り組みの一環として、今年4月に採用活動や育成、職員の定着率の向上などを担う部門を設置しました。当院に勤務することでどんなキャリアを歩めるのかなどを発信しながら、看護学校とのつながりなども、より密なものにしていきたいと考えています。

 また、人事考課制度を見直し、等級制度の運用をスタートさせました。職員それぞれに求めるものを明確にして、何を達成できたのか、どんなことを目標にして頑張ればいいのかを分かりやすく提示。

 一人一人の努力が各部署のレベルアップに反映され、その成果が積み重なることで病院の理念の実現に近づいていく。そんな効果を期待しています。

─地域において、どのような特色を打ち出しているのでしょうか。

 当院の急性期医療の強みは、切断指の接着で高い成果を上げているマイクロサージャリー、スポーツ障害の治療・再発予防、変形性膝関節症などの領域を得意とする「整形外科」と、がんなどの悪性疾患から良性疾患まで幅広く対応する「消化器外科」。

 患者は高齢者が多いため、認知症や併存疾患があったり、入院中に肺炎を発症したりといったこともありますが、そこを内科、脳神経外科がしっかりとバックアップしています。

 急性期の治療を終えた方に対しては、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟で在宅移行のための医療を提供し、脳神経外科、内科陣の力強いサポートのもと、ポストアキュート、サブアキュートの役割を担っています。

 また私自身は、坂井市において唯一の乳腺専門医として地域の乳がん診療に力を注いでいます。

─今後は。

 当院から車で30分ほどのエリア内には、福井大学医学部附属病院、福井県立病院など、急性期医療を担う病院が近接しています。

 移転後、整形外科や消化器領域への機能の集約化を図るとともに、病床の転換も実施。これから人口が大きく減少し、医療機関の機能分化が進んでいく中、どのような病院であるかを打ち出していかなければ、地域医療における役割は果たせないと思います。

 「春江病院ならなんとかしてくれる」。そんなふうに患者さんが頼ってくれる、そしてその期待に応えることができる病院を目指してきました。その軸は変わらず持ち続けながら、地域でのあり方を考えていきたいと思います。

医療法人 博俊会 春江病院
福井県坂井市春江町針原65─7
☎0776─51─0029(代表)
https://www.harue-hp.org/

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