九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

「一隅を照らす」そんな存在でありたい

「一隅を照らす」そんな存在でありたい

  理事長(ふくだ・はかる)
1958年長崎大学医学部卒業、九州大学医学部眼科学教室入局。
福田眼科病院開設などを経て、1986年から現職。
学校法人福岡大学顧問、福岡市医師会看護専門学校名誉学校長(兼務)。


 1963年に長崎県五島列島の宇久町(現:佐世保市)で始めた無料診療を原点に、長く地域の眼科医療の「いま」を見つめ続けてきた。超高齢社会を迎え、QOLの向上、併存疾患のケアなど福田眼科病院に求められるもの、果たすべき役割は少しずつ変化している。「私たちの使命は何か。常に考えることが重要」と福田量理事長は語る。

―近年の傾向について教えてください。

 白内障をはじめ、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などが多くみられます。例えば当院における白内障の手術の場合、およそ8割が日帰りで、2割が平均2~3日ほどの入院です。

 一人暮らしの方、糖尿病や高血圧症といった併存疾患のある方。そうした高齢者の患者さんが増えています。術後の通院がなかなか難しい、あるいは合併症のケアが必要といったケースが少なくありません。

 九州の眼科専門病院は当院を含めて限られた数しかありません。高齢化が進む現在、入院診療に対応できる当院のような眼科専門病院の存在意義は、ますます高まっていくのではないかと考えます。

 当院が目指すのは、福岡市西部エリアの「眼科拠点病院」です。

 思いとしては「一隅(いちぐう)を照らす」(社会の片隅で社会に貢献する)という言葉のような存在として地域の人々に寄り添い、眼科医療を届けることが使命だと考えています。

 1965年に福田眼科医院を開設した当初、患者さんのために「眼科医が互いに助け合おう」と呼びかけたことが発展し、地域の連携のかたちが確立されていきました。眼科専門病院となった現在も、私たちが「まちの医者」であることは変わりません。

 地域が一丸となって構築した病診連携を「オープンシステム方式」と呼んでいます。連携する眼科クリニックの医師が、当院の手術施設を活用できる仕組みです。かかりつけの医師が担当することで、患者さんは安心するでしょう。


―手術は福田眼科病院の大きな強みですね。

 「優秀な医師の獲得」に力を注ぎました。エキスパートのもとには、その手技を学びたいという意欲に満ちた若手が集まるもの。そうして技術が受け継がれていくのです。

 眼科医には細かな技術や感覚が求められます。手技はもちろんですが、研究熱心な姿勢を養うことも欠かせないでしょう。例えば2代目院長の百枝榮先生(現:名誉院長)、3代目院長の江島哲至先生ともに研究心がおう盛で、また体力維持など、自己管理を徹底しています。

 また、眼科領域の手術に精通したオペナースの存在も大きいのです。患者さんの緊張を和らげたり、ミスを防ぐためにさまざまな工夫を考案したりと、「あうんの呼吸」で積極的に動きます。こうしたチームのサポートにより、執刀医は手術に集中し、十分な力を発揮できるわけです。

 最新の機器を導入するなど、新たな術式に対応できる環境づくりを心がけています。手術室の空間を広めに確保しているのは拡張性を考慮したためです。

 角膜移植などの手術の際には、院外の眼科医にも参加していただき、ライブサージャリーを実施することもあります。互いに技術を高めて成長することが、地域への貢献につながると考えるからです。


―改めて、眼科医療への思いを聞かせてください。

 私が九州大学眼科の一員だったことがきっかけで関わり始めた離島での診療は、現在も宇久島、小値賀島で継続しています。

 毎年、夏に無料診療キャラバンを両島に派遣しています。久留米大学医学部2年生がへき地医療体験の一環として参加するなど、40人ほどで島を訪問します。

 島の人々が喜ぶ顔。それが地域医療に携わる私たちの糧であり、「医療の原点」を教えてくれるのです。


医療法人社団福光会 福田眼科病院
福岡市早良区藤崎1─24─1
☎092─841─2345(代表)
http://www.fukudaganka.jp/

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