今年度から「慢性腎臓病(CKD)診療提供体制構築モデル事業」がスタートするなど、腎疾患の早期発見、治療を継続的に実施できる診療体制の整備が進められている。2017年12月から2018年7月にかけて開かれた「腎疾患対策検討会」の報告書を踏まえた取り組みの一環だ。
10年間で一定の成果 減少には届かず
前回の腎疾患対策検討会の報告書が取りまとめられた2008年当時、透析療法を受けている患者数はおよそ26万人(2007年末現在)。国が生活習慣病の予防、透析療法や移植医療といった腎不全対策を呼びかける中、CKDの重症化予防に関しては、施策としての方向性が明確に示されていなかった。