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愛媛県看護協会 会長 小椋 史香

愛媛県看護協会 会長 小椋 史香

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 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 愛媛県看護協会は、2025年を見据えた日本看護協会の将来ビジョン「いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護」を共有し、少子超高齢化の進展が著しい地域特性をふまえて、あらゆる場、あらゆる人に対する良質な看護の提供をめざしています。今年度、三つの重点政策(1)各職域で働く看護職がそれぞれの専門性を発揮して地域包括ケアシステムを推進する(2)看護職が働き続けられる働き方改革を推進する(3)看護職の人材育成及び役割拡大を推進する、を掲げ活動を展開しています。

 愛媛県は、昨年「平成30年7月豪雨」により27人の尊い命を失い、生活・産業に甚大な被害を被りました。当協会は、吉田町・大洲市・野村町の避難所及び福祉避難所等に災害支援ナース延べ310人を派遣し、被災者の支援活動を行いました。全国各地からも多数のご支援を賜り、現在復興の歩みを踏み出しているところです。改めてご支援いただいた皆さま方に心から感謝申し上げます。

 この体験をとおして「地域の総合力」が問われるということを強く実感しました。病や障害を抱えても地域でその人らしく生き生きと暮らすことや災害時の備え・対応を実現するには、地域住民を巻き込んだ意識改革と多職種連携が重要なカギになります。当協会は、地域の皆さまの生の声を聴き、課題解決につなげる目的で、県内7地区で「地区別タウンミーティング」を開催しています。地区理事のリーダーシップのもと、多職種の方々が知恵を合わせ、地域の課題を明確にし、人材確保、看取り対策、認知症対策、高齢者・障害者に対する連携支援等、地域特性に応じた対策を協議・実践してゆくPDCAサイクルがゆっくり回り始めたところです。

 看護職の活動の場が拡大する中、看護政策の実現、看護の質の向上を図るためには、さらなる組織力の強化が重要です。看護職の教育・研さんはもとより、地域住民を巻き込んだ専門職の連携と地域資源の有効活用により、環境の変化・地域ニーズに対応できる体制整備に努めたいと考えています。

 平成から新元号へ移り行く節目の年、しっかり未来を見据え、人々の健康で豊かな暮らしに寄与する看護専門職能団体として、地域と専門職をつなぎ・支える活動を推進してまいりたいと思います。

 皆さまにとって新しい年が健康で実り多き年となることをお祈り申し上げます。

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