国立大学病院長会議 千葉大学医学部附属病院 会長・病院長 横手 幸太郎

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 新年あけましておめでとうございます。いつもとは異なる新春を皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。2020年はコロナに始まりコロナに暮れた1年でしたが、この新春号が発刊される2021年1月後半には、新規感染者数が減少傾向にあることを祈るばかりです。

 国立大学病院長会議は、42の国立大学法人に設置された45の病院が会員として参加する組織であり、わが国における医学・歯学の医療の充実・発展に寄与するというミッションのもと活動しています。

 近年、わが国における医学・医療を取り巻く環境は大きく変化し、医療の安全性の確保や臨床研究などに関するコンプライアンスの向上、医師・歯科医師の卒後臨床研修への対応、国際的な医療連携の推進、働き方改革への取り組みとともに、地域における中核的医療機関として、より一層の貢献や超高齢社会への取り組みが求められるなど、さまざまな重要課題に向き合っています。

 そこで、国立大学病院長会議では、教育・診療・研究・地域医療・国際化・運営・歯科のそれぞれの分野について、これまでの取り組みと現状の課題を整理し、5年後、10年後を見据えた戦略的な行動を心がけてきました。

 現在、世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、国立大学病院においては、重症のコロナ患者への対応を行いながら、これまで通り高難度最先端の医療を必要とする患者さんへの診療を継続するため、医師、看護師をはじめ多くの医療従事者が日夜努力を続けています。

 このような状況において、当会議としては、献身的に治療に取り組む医療者を守り、医療崩壊を防ぐことを第一に考え、適切な措置を求めていきたいと考えています。特に、運営費交付金の削減に伴って経営の効率化が進んだ結果、ギリギリの人員で医療を展開する中でコロナ禍を迎え、余裕のない医療体制がいかに災害に対して脆弱(ぜいじゃく)であるかが明らかになったと思います。

 Withコロナの日常がどのように落ち着くのか、いまだ予断を許さない状況ではありますが、変わらず安全な医療を国民に提供し、高度な医療人の育成を通じて日本の医療のさらなる充実と発展に寄与するため、今後もこれまで以上に積極的に活動していく所存です。

 皆さまにはより一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。最後になりますが、皆さま方のご多幸を祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。

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